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発達障害の息子を、ついに児童精神科に連れて行く日

発達障害の息子と漫画家母の奮闘記④

発達障害のADHDがある息子・リュウ太を育てる『うちの子はADHD』作者のかなしろにゃんこさん。ついに、息子が診断をうけることになり…。

(前回までの記事はこちらから→http://gendai.ismedia.jp/list/author/nyankokanashiro

どんなに怒ってもムダ

ADHDがある私の息子・リュウ太には、こんな困った特徴があります。

・落ち着きがない
・危険な遊びが大好き
・ケンカ上等

おかげさまで小学校時代、母親の私はご迷惑をかけた関係者や学校の先生に謝ることが多くて多くて……(涙)

「自分の育て方が悪いんだろうか?」

そう悩んだものでした。

 

ところが、ケンカや危険行為以外にも、実は当時は困り事がいっぱいあったのです。

たとえば忘れ物。“ADHDのある人は片付けが苦手だ”って、聞いたことがある人もいるのではないでしょうか。リュウ太は典型的なタイプで、注意欠陥という特性からでしょうか、忘れ物は数えきれないほどありました。

マンガ①

とにかく物の管理ができません。定位置に物を置くクセがないので、物をどこに置いたのかを忘れてしまうんです。だから、帽子や体操服がなくなってしまうのはしょっちゅう。学校で配られるプリントや集金袋なども、持ち帰ることがありませんでした。

もちろん、宿題があっても教科書や問題集をきちんと持ち帰らない。おかげで宿題を忘れるのが日常茶飯事になってました。

誰でも忘れ物くらいはしてしまうものですよね~。でも息子の場合は、その頻度がフツウじゃない!! 靴下がキライで裸足になることがあり、毎日靴下をなくして帰ってきます。当時、夫には「お前が甘やかすからだ!」と言われていたので、私は、

「この子には、もっと軍隊的に厳しい躾が必要なのかもしれない」

そう思い込んで、息子に怒りまくってました。たとえば忘れ物については、

「持って帰る物を忘れちゃうなら、もう机ごと持って帰ってきなさい!」

こんなふうに怒鳴ったことがあります。机の中身を全部持って帰ってくれば、忘れ物問題を解決するのはカンタンじゃないかしら? マジメにそう考えてしまうくらい、打つ手がなかったというわけ(笑)

そんな感じで小学校3年生までは、息子が発達障害だと分かっていなかったので、「厳しく注意していれば、きっと変わるはず!」と思い込んでいました。

でも、いまだからわかりますが、発達障害の子を育てるときは、その逆をいかなければならなかったんです。

いくら注意しても、息子が危険な遊びをやめなかったことは、前回少し描きましたが、リュウ太は何につけ、親の言葉を聞きません。聞かないというか、どうも忘れてしまうらしいのです。たとえば注意事項を言うにあたって、

「大事なことだから絶対にこうしてネ!」

と念を押して伝えると、リュウ太は、

「うんわかった!」

といい返事をするのですが、数秒後……、いえ次の瞬間には忘れてしまいます。ただ返事をしただけで、もしかしたら本当は、話自体聞いてないようにも思えます。

大きくなってから息子に、話を聞いていたのかどうなのか、尋ねてみたのですが、

「楽しいことや次にやりたいことが頭の中を占めているときは、話の内容が全く入ってこないんだよね」

だそうです。親にしてみれば、

「なんじゃそりゃ――――! バカにしてんのかコラ――――!」

と怒りたくなりますが、どんなに怒ってもムダなんですね。これもADHDの特性ですから。キレても怒鳴っても脅かしても、親子ともども疲れるだけなんです……トホホ。だから我が家では、こんな方法を採用しましたよ!

リュウ太を観察していると、遠くを見るような目つきのときは、話しかけても「あ! 今聞いてないなコイツ」と分かります。だから、どうしても覚えていてほしいことは、

「今、話を聞いてくれる? お母さんの目を見てくれる?」

と向き合って、一回しっかり目線をいただいて集中してもらうようにしました。それでも忘れてしまうことがあるので、必要に応じて再度話しかけて、覚えてくれているのか確認することもあります。

この方法はお互いに気疲れしますが、忘れ物防止には効果的です。お困りの方は試してみてくださいね!

このように、「注意欠陥がある子にはこんな育て方が合いますよ!」と教えてくれたのは、発達障害の診断を受けたクリニックで、私たち親子を担当してくださった心理士さんでした。

クリニックできちんと診断を受けたことで、親子関係を変えることができたんです。そんなわけで、今回は診断を受けるまでのことを書こうかな。