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3年後、中古マンションは「駅近・億超え物件」だけが生き残る

業界一詳しいプロが実名公開
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9月26日付の記事「世の中には『価格が下がらないマンションがある』というホントの話」に、大きな反響があった。そこで、今回のテーマは一歩踏み込んで、「『価格が下がらないマンション』にこれからなるマンション」。いま首都圏のマンション市場に最も詳しい専門家の一人、住宅ジャーナリストの榊淳司氏が厳選した物件をご紹介しよう。

「未来のヴィンテージ」を見つけ出せ

「高いお金を払ってマンションを購入するのなら、将来はヴィンテージと呼ばれるような物件を購入したい」

だれもがそう考えるはずだ。しかし、日ごろからマンション市場をよく眺めている玄人でないと、どの物件がヴィンテージマンションなのかはわからない。ましてや、いま中古市場で販売されているマンションの中で、これからどの物件が将来ヴィンテージ化するのかは、よほどの目利きでないかぎり予想はできないだろう。

 

前回記事で私なりに掲げたヴィンテージマンションの条件を、ここであらためて示してみたい。

新築時の販売価格と同等レベルか、それ以上で取引されている
誰もが一等地と認める場所にある
竣工後10年以上が経過している
100戸以上のスケールがある
管理組合が良好な状態で機能している

残念ながら、現在の新築マンション市場は局地バブル状態にある。そのため、条件②の「誰もが一等地と認める場所」で販売されている新築物件は、どれも価格が高すぎるのが実情だ。

これから10年以上経過したときに、条件①の「新築時の販売価格と同等レベルか、それ以上で取引されている」という条件を満たす物件は、私の眼ではほとんど見い出せない。いくら好立地で素晴らしい計画であっても、現在の局地バブルが崩壊した後には、どの物件も値下がり必至なのだ。

そこで、こんなことを考えてみた。条件②の「竣工後10年以上が経過している」を、ひっくり返すのである。(局地バブル突入前の価格で販売された)過去10年以内に竣工した築浅マンションの中から選ぶのであれば、近い将来ヴィンテージと呼ばれるようになる物件に、ある程度見当をつけることができそうだ。

以下に、ヴィンテージのポテンシャルを備えたマンションを17物件選んでみた。ただし、条件⑤の「管理組合が良好な状態で機能」については、竣工から時間がさほどたっていないため、まだ評価するのは難しい。これから管理組合がうまく機能しなくなるリスクがあることは、ご了承いただきたい。

また、あくまで将来予測としてのリストなので、私なりの基準にもとづく選択であることをあらかじめお断りしておく。ご興味のある物件については、各自納得するまでお調べになることをお勧めしたい。価格推定は、便利なオンラインサービス『家いくら?』を活用して算出した。

まず、千代田富士見というアドレスをもった二つの物件を見ていこう。ともに、JR中央総武線の「飯田橋」駅から徒歩4分だ。

パークコート千代田富士見 ザ タワー」はお濠に沿った良景観の遊歩道からもアクセスできる。普通の順路のほうも、学生たちが多く若やいだ空気にあふれている。こういうマンションはどれも人気が高い。ただ、仕様がやや低グレードという評判が気になる。

プラウドタワー千代田富士見レジデンス」は、東京国際フランス学園の跡地にある。かつては在京のフランス人子弟たちが通っていた場所だ。周辺は少しゴチャっとしているが、現地はちょっとした高台に立地していて雰囲気は悪くない。いかにも趣味の良い富裕層に好まれそうな物件だ。

この千代田富士見エリアに懸念があるとすれば、北朝鮮系の施設が居座っていること。将来、あの施設が移転するか消滅すれば、資産価値はさらに高く評価されることになるだろう。

神田淡路町に立地する「ワテラスタワーレジデンス」は、さまざまな商業施設やイベント会場、オフィスなどが併設されている。都心での再開発事業の成功例と言ってもよい。立地は「超」を付けてもいい一等地なので、今後、資産価値が下落するとは考えにくいマンションだ。

六本木エリア六本木エリアの資産価値は手堅い photo by iStock

ザ・六本木東京クラブレジデンス」は、分譲マンションというよりも、高度なホテル機能をもった「サービス付き集合住宅」と言うべきだろう。こういうスタイルのマンションは世にまだ少ないが、今後は富裕層をターゲットに増えていきそうだ。

販売時期がリーマンショック後の景気低迷期とかぶってしまったので、いまだに「売れ残り」イメージを引きずっているが、いまならまたたく間に完売すること間違いなし。外国人も含めて、東京暮らしを志向する富裕層はこれからも増えるだろうから、この「クラブレジデンス」のようなマンションへのニーズは衰えないと予測する。

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