試算では費用1兆4100億円
菅政権が言えない
「原発被災地の国有化」というタブー

原子力政策の失敗を認め、率直に議論をすべき
福島第一原子力発電所〔PHOTO〕gettyimages

 1号機から3号機までの原子炉でメルトダウン(炉心溶融)が確認されるなど、福島第一原子力発電所事故の状況が、ますます厳しさを増すなかでも、東京電力は楽観的見通しを修正しない。

 5月17日に発表された新工程表---。

 4月17日発表の最初の工程表では、原子炉を水に浸して冠水状態にし、「低温停止」に持ち込む方針だったが、メルトダウンしたために、原子炉の圧力容器と格納容器の底部に穴が空き、「冠水」は不能となった。にもかかわらず東電は、来年1月半ばまでに「事故収束にメドがつく」という"強気"の見通しを変えない。

 なぜか。

 菅直人首相の「年明けには周辺住民の帰宅の判断ができる」という言葉に縛られているからだろう。だから年内にメドをつけねばならない・・・。

 しかし、そんな目標設定に意味がないことは、約10万人の避難住民自身が感じている。

「いつになったら帰れるんでしょうか」