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安倍首相「幻のインタビュー」から読み解く自民党の驚くべき余裕

異例の申し入れは「無かったこと」に

幻の「安倍首相インタビュー」から見えるもの

安倍晋三首相は衆院選公示前の9月下旬、地元紙『山口新聞』を始め全国紙各紙(山口県版向け)に対してインタビューを受けると伝えていた――。

安倍首相は、過去2回の衆院選では地元の有権者向けの自分のインタビュー記事を掲載させる必要など全くないないほど地盤は盤石であり、選挙に強かった。

ところが、今春ごろから国会内外で森友・加計学園問題で追及を受けて、内閣支持率が大きく下落したことから自らの選挙にも危機感を覚えたに違いない。

こうしたことからか、9月25日の「解散会見」後に安倍晋三国会事務所からメディア各社に「取材を受ける」と伝えられたのである。

 

しかし、10月に入るや希望の党代表の小池百合子東京都知事に対する期待に陰りが見え始めたことから、その申し入れは「無かったこと」になったのだ。調子がいいと言えばそれまでだが、10日の公示日を境に選挙戦情勢は一変した。

いま筆者の手元には、メディア各社の議席獲得予想に関する情勢調査結果がある。一言でいえば、「自民党圧勝」だ。まさに一夜にして、かくも情勢が変わるのか、というのが率直な感想である。

危機どころか単独過半数へ

共同通信の序盤情勢調査(10月10~11日):自民党288、希望の党62、立憲民主党32、公明党30、日本維新の会17、共産党14、社民党1、無所属21。

日本経済新聞・読売新聞合同の序盤情勢調査(同):自民党258(+46、-59)、希望の党70(+39、-24)、立憲民主党45(+15、-9)、公明党34(+2、-5)。

公示前の情勢調査(7~9日実施)だが、NHKは自民党270、希望の党50~59、公明党35、立憲民主党30~36、日本維新の会16、社民党2、大地の党1、無所属20~25。

各紙(社)の12日付朝刊の一面トップの大見出しを比較すると以下の通り。『朝日新聞』:「自民堅調 希望伸びず」、『毎日新聞』:「自公300超うかがう」、『読売新聞』:「自民 単独過半数の勢い」、『日本経済新聞』:「与党、300議席に迫る勢い」、『産経新聞』:「自公300議席うかがう」、共同通信:「自公300議席超うかがう」

『朝日』だけが抑え気味の見出しを取っているが、本文では「自民党は単独過半数を大きく上回る」と記述している。要は、現時点で自民党は単独で過半数233議席どころか、安定多数244議席、絶対多数261議席を優にクリして解散前の284議席(欠員3を除く)に届くかもしれない、それこそ「勢い」ということだ。