選挙 政局

小泉進次郎に直接聞いてみた。「今回の選挙、疲れませんか?」

「一日一生、その言葉をかみしめてます」

首相が来るときにさえなかったのに…

北海道札幌市内の複数のタクシー会社の掲示板には、朝から一枚の紙が貼られていた。そこに書かれていたのは、小泉進次郎の遊説日程だった。

彼が街にやってくると、メインロードが渋滞する。小泉進次郎の演説会を「仕事の妨げ」と捉えるか、聴衆を目当てに「商機」ととらえるか。この日の札幌では、ドライバーの間で判断が分かれたという。

「こんな貼り出しがあったの、初めてですよ」

ベテランのドライバーは、そう言って笑った。

 

首相の安倍晋三が来ても、野党の党首が来ても、貼り出しなんてされない。街頭の主役はやっぱり進次郎だった。

彼の全国行脚を密着取材している筆者には、自民党に吹き付ける「最大瞬間風速」を目の当たりにしているとそう感じざるを得ない。

公示後4日目の13日までに27回、公示直前も合わせると全国41か所で街頭遊説を行った。演説先には人、人、人。小池劇場が「期待外れ」に終わると見るや、テレビも連日この男の行動を報じている。

筆者は過去5回の全国行脚に密着してきたが、6回目となる今回のスケジュールはいまだかつてないほどタイトだ。昼も夜も移動中の車内で弁当を食べる日が続いていることが、その忙しさと人気ぶりを物語っている。

これまでなら移動中に話しかける機会が何度もあったが、目の色が「戦闘モード」のままだと、正直話しかけるのも憚られる。が、取材をしたい。

この選挙で初めて、在来線の普通電車に揺られているタイミングがあった。その瞬間、筆者と同じく密着取材を続けているテレビ局2社のディレクターとともに声をかけてみると、進次郎は意外にも20分以上にも及ぶ「共同インタビュー」に応じてくれた。

電車の車内でも有権者に手を振る進次郎氏(筆者撮影)

3日目の遊説を終えた男の表情には達成感がみなぎり、少しハイになっていた。

「北海道は普通車両の中にゴミ箱が設置されているんだね。東京じゃ考えられない。しかも、ビールの缶が捨ててある」

そんなことが目に入るほど、戦闘モードから平常心を取り戻していた。

(※この記事の質問文は実際よりも説明を詳しくし、発言の順序には編集を施してありますが、進次郎氏の発言内容はできる限りそのままの形で掲載しております)

――これまで自民党遊説局長代理、党青年局長、地方創生担当政務官、党農林部会長、そして、今回は党筆頭副幹事長として全国遊説をしています。立場によって、なにか違いはありますか。

結局ね、全国ドサ回りは変わっていないですよね。何の仕事をしても。自分の中の日本地図が、何層にも塗ったようになってくるのがわかります。油絵も表面から見ると、ひとつの色だけど、あれは何層にも塗っているわけじゃないですか。それに似たような感じがします。

今回も街頭に立つといろんなことを感じています。「何年ぶりだね」と言ってくれる人もいるし、以前はお腹の中にいた子どもが今回聞きに来ていたりする。しかも、自分の地元じゃなくて全国にそういう人がいる。(11日には)千葉に行ったけど、ユーカリが丘の駅前に立つのは今回で4回目だからね。毎回のように行っていますよね。