選挙 政局

元経済ヤクザが断言「小池都知事はケンカの仕方を間違えた」

叩きのめせばいいってもんじゃない

「自公」「希望・維新」「共産・立民・社民」の3極が争うことになった今回の選挙にあって、その話題の中心にいるのは希望の党代表の小池百合子東京都知事(65)だろう。

防衛大臣歴任時から都知事に至るまで、組織の頂点に立つやいなや、新たな「敵」に「ケンカ」をふっかけるその手法は、ヤクザのそれと比較されることも多い。はたしてそれは正しい評価と言えるのか――ネコノミクスでユリノミクスを斬ってみようではないか。

一体、ケンカとは何なのか

第48回衆議院選挙が公示された10月10日は北朝鮮の建国記念日ということで、この日を境に軍事的緊張感が高まる可能性が報じられていた。しかし選挙期間中にミサイルを発射すれば、改憲と軍備強化の世論を後押ししかねないのだから、この時期に北朝鮮があえて軍事的緊張を高める可能性については、私は否定的であった。アメリカにしても同盟国の選挙期間中に、先制攻撃を仕掛けることはないだろう。

このように感情にとらわれず、合理的に冷静に判断するのが「経済ヤクザ」として生きてきた私の習性だ。「渡世」とは文字通り「世間を渡る」ことなのだから、ヤクザに社会保障の恩恵が与えられるはずもない。

ということで、政治に対して「幸福を与えてくれるもの」などという希望を抱くこともなくなった。自らの意見と反対の立場の政治家の演説を妨害するほど、政治に夢や希望を抱く人の気持ちはまったく理解できない。

ネット上の私の言葉を持って「ネトウヨ」というステレオタイプの評価をする人も多いが、私が国政に求める要素は「合理的国家運営能力」のみで、特定の政党や思想などとは無関係だということを表明しておきたい。

さて、そのうえでこの「暴力団的合理主義視点」に従って、今回の選挙の中で目玉とされる希望の党代表・小池百合子氏のケンカ手法を分析してみたいと思う。

まずはその「武闘史」を振り返ろう。

 

2007年、女性初の防衛大臣に就任した小池氏は、その1カ月後、当時の防衛事務次官の守屋武昌氏を更迭した。「アヤ」(因縁)としたのは携帯電話の連絡だ。当時、小池氏が安倍総理に相談し了承を得た守屋氏の後任人事案がマスコミに漏れ、その確認を守屋氏にしたところ、携帯電話に出なかったとして、守屋氏を更迭したのである。

後に守屋氏が著書で「携帯電話が鳴ったのは午前0時過ぎ。それも、『1秒』だけの着信だった」と明かしているが、まさに「因縁をつけた」ということである。

新しいところでは、16年の都知事選出馬を巡る自民党都連との対立だ。五輪会場新設を巡っては、東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会会長・森喜朗氏と一戦を構えた。終戦の際に小池氏は「オリンピックの無駄を400億円削減した」ことを強調したが、1兆6000億~1兆8000億円と試算される大会総予算のうちの「400億円」がどれほどの意味を持つのかは疑問である。

さらに築地市場の豊洲移転問題では、石原慎太郎氏との対立もあった。本来なら相容れない反対政党・共産党系の調査結果に相乗りする形で、市場移転を1年も遅らせたままイタズラに運営費を使い、結局移転決定したという顛末。

これが、わずか約1カ月前のできごとである。ここまで大した結果に繋がっていない小池氏が掲げる「ユリノミクス」に疑問を抱くのは、合理的であると言えよう。

【PHOTO】gettyimages

小池氏の「ケンカ」は常に有権者の耳目を集め、いかにも悪そうに見える人たちを潰すことで権力と票を得るというもの。しかしこうして羅列すれば、そのケンカが有権者にあまり有益なものを与えていないことも明らかだ。

さて、ヤクザ的視点に立って、「ケンカ」とはなにかを考えてみたい。