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希望の党・経済ブレーンが初めて明かす「ユリノミクス 本当の狙い」

批判にもすべて答えます
安東 泰志

小池さんを誰よりも信頼している

また多くの方が「都政に専念していない」と小池さんを批判しています。しかし都政の改革は、国政を巻き込まないと進みません。都政で小池さんの最も執着している成長戦略は、先ほどお示しした「国際金融都市・東京」構想と「ダイバーシティ」ですが、これも国が管轄する政策に手を入れることで真の改革が完成することになる。

特にダイバーシティは、アベノミクスでは「女性活躍」や「1億総活躍」と言っていますが、小池さんに言わせれば「何もできていない」。

実際、世界経済フォーラムが発表する「グローバル・ジェンダー・ギャップ指数」の16年版は、日本は過去最低の111位(140ヵ国中)。安倍政権が始まって以降、順位は下がり続けています。当然、小池さんに言わせれば「いったい何をやっているのか」ということになる。

待機児童対策をはじめ、女性が働きやすい環境を整え、また障碍者のためのバリアフリーのインフラ投資をどんどんやっていかないとなりません。LGBT差別も解消する。ここに財政を投じて行くことが、生産人口を増やす理にかなった経済政策なのです。

今、小池さんが国政に向けて勝負をかけているのは、こうしたアベノミクスへの不満を持ったことが最大の動機だと私は理解しています。

 

今の日本で「政権交代」とか「構造改革」の話をすると、民主党政権下で効果の乏しかった「事業仕分け」を思い出され、忌避感を持つ人が多いように思います。既得権に切り込んでも、結局は失敗するだけだ、と。しかし、もしあなたがそう考えているのなら、「既得権に切り込んでも潰されるだけ」という既成概念にとらわれ過ぎているのではないでしょうか。

皆さん、大事なことを忘れてはいませんか。既得権に切り込むことは悪いことなのでしょうか。必要な改革を着実に進めることは日本をダメにすることなのでしょうか。

そんな負の既成概念のために、改革することから逃げていて、本当にいい社会ができるとは、私には思えません。

私はあまりにも歩みの遅い安倍政権に代わって、希望の党が政権をとることを望んでいます。そのためには様々な政治的なハードルがあることも承知しています。

今でも都政運営への批判はあります。しかし、小池さんの都政改革を見てきた私から見れば、都の既得権に切り込んだ小池さんの政策は今、着実に花開こうとしている。私は改革を決して諦めない小池さんのひたむきさを、どの政治家よりも信頼しているのです。

<希望の党の政策ブレーンの説明を、有権者はどう受け止めるだろうか。各党の経済政策と比較し、判断材料のひとつとしていただきたい

(取材・文/藤岡雅)

安東泰志
1958年9月22日生まれ。1981年に三菱銀行(現三菱東京UFJ銀行)入行、1988年より、東京三菱銀行ロンドン支店にて、非日系企業ファイナンス担当ヘッド。90年代に英国ならびに欧州大陸の多数の私的整理・企業再生案件について、参加各行を代表するコーディネーターとして手がけ、英国中央銀行による「ロンドンアプローチ・ワーキンググループ」に邦銀唯一のメンバーとして招聘される。帰国後、企画部・投資銀行企画部等を経て、2002年フェニックス・キャピタル(現・ニューホライズン キャピタル)を創業し、代表取締役CEOに就任。2006年10月ニューホライズンキャピタルの代表に就任。創業以来、主として国内機関投資家の出資による8本の企業再生ファンド(総額約2500億円)を組成。約90社の再生と成長を手掛ける。事業再生実務家協会理事。東京都顧問。