Photo by Getty Images
トランプ政権 金融・投資・マーケット

強気の「トランプ相場」を再燃させる、虚ろな「税制改革」期待

具体的な政策は一向に示されないが…

大規模な「トランプトレード」が再来する?

足許の世界経済を概観すると、米国と中国の景気回復に支えられて、目立った懸念材料は少ない。経済専門家の中にも楽観論が増えている。

なかには昨年11月の大統領選挙から本年年初までの米株価の急上昇にみられた「トランプトレード」が、再度、大規模に進むと強気な市場参加者も増え始めている。それを支えるのが、トランプ大統領が唱える米国の税制改革への期待だ。

 

確かに、マーケットで相場をけん引しているのは税制改革期待だ。米国の株式市場は史上最高値を更新し、財政改革に投資家は心を躍らせているようだ。

だが期待は高まれど、政策の具体的な内容と効果は一向に示されていない。現実として、トランプ政権の政策運営が改善したとは考えにくい。

不安から期待への転換

今春以降、為替相場ではドル売りが進んできた。その理由の一つは、米国のトランプ政権への不安が高まったからである。

これは、国際社会の秩序を保ってきた米国の影響力が後退することへの不安と言い換えてもよいだろう。特に、北朝鮮問題に関してはトランプ大統領の主張と側近の意見の食い違いが表面化し、偶発的な米朝の衝突のリスクも排除できない状況が続いてきた。

ただ、この米国の政治に対する懸念は現状では一服しているように見える。その背景には、国連安保理の北朝鮮制裁決議において米国が石油禁輸など強硬的な内容を取り下げ、譲歩を示したことがある。

それに加え、トランプ政権の目玉といわれてきた税制改革が実現するのではないかとの期待が、ここにきて高まってきたことが大きい。

税制改革の実現は、米国経済の底上げには不可欠と考えられてきた。今回の税制改革案の骨子に、法人税率の引き下げを中心に企業のフリーキャッシュフローの増加につながると考えられる内容が盛り込まれたことは重要だ。それが、米国の株式市場を中心にリスクテイクを支えている。