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自衛隊 衆議院議員選挙

前代未聞!今度の選挙で自衛隊が心底、困っている裏事情

北朝鮮情勢も心配だけど、こっちも…

空自幹部が嘆息「こんなことは前代未聞だ」

戦後、国政選挙でこれほど混乱することがあっただろうか。

北朝鮮のミサイル発射や核実験が相次ぎ、安倍首相自身が「真摯に説明責任を果たす」と言った森友学園、加計学園の問題についても大して説明されないままに(これが「問題だ」という人も「問題でない」という人も、少なくとも国会での追加説明がなかったことでは意見の一致を見るだろう)、衆議院は解散されてしまった。

そこに小池百合子都知事の「希望の党」発足、民進党の合流・分裂・解党騒ぎと、推理作家でも想像しなかったであろう出来事が日々発生し、前日までのニュース内容がオセロのようにひっくり返される状況だ。

10月10日、いよいよ公示日を迎える、この衆議院選挙。来たる22日の投票日まで何が起こるかわからない。だが、おそらく一般国民の平均以上に、この状況をはらはらしながら見守っている人々がいる。自衛隊関係者である。

 

「これは、前代未聞の事態だ」

ある防衛省・航空自衛隊幹部は取材に対し、こう話して、深く嘆息した。

「希望の党」代表の小池百合子氏は、2007年に防衛大臣に任命された。しかし、このときは大物事務次官と更迭問題で刺し違え、わずか55日で離任している。ハイヒールを履いて演習を視察した稲田前防衛大臣の上をいく、肝の据わった剛腕ぶりを発揮していたのだ。

だが、空自幹部を困らせているのは、小池氏が閣僚、あるいは内閣総理大臣となって自衛隊の最高指揮官となるかもしれないことではない。

実は、間の悪いことに、航空自衛隊が総力を挙げて準備をしてきた自衛隊最大の年中行事、航空観閲式が、投開票日である10月22日(日)の翌週、29日(日)に百里基地(茨城空港)で行われる予定なのだ。

「首相に見せる」ことに意味がある

今回の観閲式は、防衛省昇格10周年記念の意味合いもあり、盛大に執り行われることになっている。ちなみに、22日には本番さながらのリハーサルが行われる。

観閲式の様子は、ニュースなどでご覧になったことのある方も多いだろう。海外でいうところの、いわゆる軍事パレードだ。北朝鮮の例を見るまでもなく、多くの場合、軍事パレードは権力者がその権勢を海外に誇示したり、戦力を見せつけるデモンストレーションの意味を持つ。

では、日本の自衛隊はなぜ、観閲式を行うのか。

過去の観閲式のパンフレットなどを参照すると、「自衛隊の最高指揮官である内閣総理大臣(観閲官)の観閲を受けることにより、自衛隊員の使命の自覚及び士気の高揚を図るとともに、防衛力の主力を展示し、自衛隊に対する国民の理解と信頼を深める」ことが目的とされている。

つまり、内閣総理大臣の観閲を受けることを通じて、国民にその存在を示し、理解を得るというわけだ。シビリアンコントロールの観点から言えば、国民への「報告」とも解釈できる。

内閣総理大臣は最高指揮官であり、自衛隊側の人間であるわけだが、観閲式においては、内閣総理大臣が重要な「メインゲスト」だということを強調しておきたい。