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女性に大人気「フクロウカフェ」のあぶない実態

拘束され、触られ、死んでいくケースも
岡田 千尋 プロフィール

アニマルウェルフェアとは何か

「アニマルウェルフェア(動物福祉)」という言葉を聞いたことがあるだろうか。ヨーロッパを中心に発展してきた科学的根拠を元にした動物の適正な飼育を規定するための言葉だ。

動物行動学や生態学にもとづいており、いわゆる飼育の”ノウハウ”や”愛情”などの感覚的な捉え方とは異なる。動物にはその動物本来の取るべき行動があり、それらの行動が阻害されると強いストレスを感じるのだ。

では、フクロウのアニマルウェルフェアはどう保つべきなのか。

弧を描いて飛べるだけの十分な広さ、高さの中に、複数の止まり木、水浴びができる人工の池や容器を用意する。他の種類のフクロウと同じ空間を避け、同じ種で空間を共有させる場合でも、お互いの視界を遮断できるようにする。拘束具などの装着物の使用は一時的のみに限定すること等が最低限必要であるとされる。

しかし、これはどうしても飼育をする場合であって、上記環境を用意しても十分とはいえない。

たとえばメンフクロウの行動範囲は5,000ヘクタール、東京ドーム1,000個分だ。これだけの広さを自由に行き来する動物を、人間の欲求のまま囲ってしまって本当によいのか。

また、犬や猫のように人が飼育管理してきた歴史が長い動物以外は、デリケートでストレスを感じやすく、その飼育は綿密なルールのもと行われるべき、もしくは、飼育自体行ってはならないものだ。

野生動物はたとえ人間に慣らされた個体であっても、人との生活はストレスになる。生態は数十年では変わらない。

 

自然との付き合い方を見直すとき

そろそろ苦しむ動物を見て楽しむということをやめるときではないだろうか。

フクロウカフェのような野生動物を利用したカフェのなかには、「かわいければどの動物もペットにしてよいのだ」「自分が楽しむためであれば他者を拘束したり習性を無視したりしてよいのだ」という誤ったメッセージまでをも発しているものもある。

私たち日本人は、殴る蹴るなどの暴力には敏感だが、ネグレクトや拘束など静かな虐待には鈍感だ。アニマルウェルフェアの考え方を知らないだけでなく、自然や動物本来のあり方や尊重するという考え方から遠ざかってしまっているためではないかと思う。

お隣の台湾では、フクロウをペットや撫でる対象にすることが禁止されている。拘束具が残酷であるという声があがり、日本人は野生動物との付き合い方を誤っていると捉えられ、批判の的にもなっている。私たちアニマルライツセンターにも、外国人観光客からのアニマルカフェや動物園についての通報が後を絶たない。

多くの注目を集める東京オリンピック・パラリンピックが行われる2020年までに、野生動物を利用したカフェを終息させ、娯楽のあり方を見直すべきであろう。

最後に、フクロウはその大きくてくりっとした目でまっすぐ人を見るため、あなたは「かわいい」と感じるかもしれない。しかしまっすぐ人を見据えるのは、眼球を動かす能力がないためであり、けっしてあなたのことが好きだからではない。