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ADHDの息子が、保育園で「つるし上げ」にあった日

発達障害の息子と漫画家母の奮闘記②
かなしろにゃんこ。 プロフィール

「ちびっ子ランボー」の言い分

ちょっと話を先取りしますが、リュウ太はこのエピソードの5年後に「ADHDと広汎性発達障害がある」と診断を受けることになります。あらためて思い返してみると、園での息子は、発達障害がある子によくみられる「団体行動が苦手」な特徴がそのまんま出ています。

現在19歳のリュウ太に、保育園当時のことを聞いてみたことがあります。「なんであんなに怒ったの?」って。

子どもの頃、リュウ太はミニカーで遊ぶとき、目の前の物体を脳内で変換して遊んでいたそうです。

「敷居は線路、布団の山は雪山、棚は岩場と崖。本当にそう見えてくるから、邪魔されると空想の世界がパッと消えちゃうんだよね」

と本人は言います。

漫画②

みんなと同じ行動をとる意味が理解できないし、そもそもそんなこと、したくないタイプだし、自分の世界にどっぷり入って、脳の中の仮想空間で気持ちよく遊んでいる状態。そこに、誰かが声をかけたりすることで予期せぬ登場人物が入ってくると、夢の国が崩壊してしまう。

だから、テリトリーに入ってきた友だちは「敵」になってしまうのです。

「基本、ミニカーで遊んでるときはほっといてほしい。一人で遊んでいるときに話しかけられることを想定していないから、話しかけられた瞬間、『邪魔された!』と思っちゃってたな~」

だそうです。だから保育園で、あんな“ちびっ子ランボー”状態になってたのね……。

当時のことを思い出して、少し申し訳ないと思っている様子の息子でしたが、いまになっても部屋でウキウキ音楽を聴いている息子に「ご飯だよー!」と話しかけると、

「あー!? 急に部屋に入ってくなよっ! うぜーな!」

とお怒りになるので、「幼児期から変わってねーなコイツ!」とイラっとする母なのでした。

 

ちなみに、息子の反抗期のことについては、10月に出たばかりの新刊『うちの子はADHD 反抗期で超たいへん!』にくわーしく描きましたので、よかったらチェックしてくださいね!

保育園でつるし上げられた、あの日

子ども時代に空想にふけることはありますし、オモチャで遊ぶのは楽しかったのでしょう。話しかけると怒りたくなる気持ちだって、わからなくはありません。だからといって、許されることと許されないことがあるはず。

私は、暴力行為だけは絶対にやめてほしいと強く願っていました。