Photo by gettyimages
選挙 政局

それでも小沢一郎は「小池の出馬と首相就任」を諦めてはいない

【ドキュメント】小池政局の深層

またぞろ動き始めた

「今しかない」と述べて、野党を出し抜く解散総選挙に踏み切った首相・安倍晋三。ところが、東京都知事の小池百合子が自ら国政新党「希望の党」の党首に就任する「小池劇場」の幕が開き、風景は一変。選挙情勢は混沌とした状態が続いている。

もちろん最大の焦点は、何と言っても小池自身が今回の衆院選に立候補するか否かだ。

10月1日までは、小池が「出馬しません」と何度繰り返そうが、永田町では「公示日ぎりぎりに立候補表明することは既定路線だ」との見方が大勢だった。

 

ところが、明けて2日になると「小池は報道各社の世論調査で『希望の党』への期待が思ったほど高まっていないのを見て、立候補を断念したそうだ」との情報が飛び交うなど、各党もマスコミも小池の動向に振り回されている。

小池は、10月に入って新聞各紙や週刊誌のインタビューに相次いで応じ、そのたびに衆院選への自身の出馬について繰り返し否定した。だが、その一方で「今回の選挙で政権を狙いたい。まずは単独政権だ」とも語っている。

代表である自身が立候補しないならば、他の誰かを首相候補に立てないとおかしい。この点を明らかにしないまま「政権交代を目指す」などあり得ず、小池の言動は矛盾に満ちている。そのため、なお公示直前に立候補を表明するのではないかとの見方が消えていないわけだ。

そうした中、この「20年に一度」の混迷政局で主導権を握ろうと、小沢一郎が再び暗躍していることは、未だあまり詳しく報じられていない。

「もう自民党には戻れないぞ」

現在は、国会議員わずか6人の自由党で代表を務める小沢だが、かつては自民党を飛び出して非自民の細川連立政権をほぼ一人で築き上げ、その後も巨大野党・新進党を率いて自民党と対峙。新進党の解党後は民主党に合流し、2009年にはついに本格的な政権交代を実現させたことは、日本人なら誰もが知っている。

小池百合子も新進党時代、剛腕・小沢の「側近」と言われた時期があった。そのため、小沢は念願である再度の政権交代に向けて小池人気を利用しない手はないと、春頃からかつての部下である小池に接近。東京都議選前の6月以降、極秘で頻繁に会談を重ねてきた。

1998年、小沢が自由党を結党した際の会見で(講談社写真部)

小池周辺によれば、小池は都知事に就任した当初から、本音では「出来るだけ早く国政に復帰して、首相の座を目指したい」と考えていた。具体的な道筋については、「非自民勢力を基盤に首相の座を狙う」方針と「自民党に担がれる形で首相に就任する」方針の、ふたつの選択肢を残してきた。