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マンション売買で損しないために、知っておきたい「業界のウラ事情」

仲介業者はこんなことを考えている

不動産価格の高止まりを背景に、中古マンション市場が活況を呈している。マンションを保有している方々のなかには、「もしかして、売り時?」なんてことを思っておられる方もいるのではないか。しかし、焦りは禁物。よくわからないまま売り買いに手を出すと、あとで後悔することになる。住宅ジャーナリストの榊淳司氏が警鐘を鳴らす。

国土交通省の資料によると、分譲マンションの総戸数は平成28年末で約633万戸あるという。このうち、毎年30〜40万戸程度が流通市場で売り出され、実際に売買が成立するのは10万戸程度だと筆者は推定している。

残念ながら、中古マンション市場に関する正確な統計データは存在しない。しかし、年間に売買される中古マンションの総数は、ここ2年ほどで新築マンションの販売戸数を上回ったと見られる。日本もいよいよ欧米先進国のように、住宅売買の主流が中古になりつつあるのだ。

今後、中古マンションの取引戸数は年々増加していく。というのも、新築マンションの市場への供給戸数分が自動的に加算され、分譲マンションのストックは現在の633万戸から増えることはあっても減ることはないからだ。端的に言えば、分譲マンションを所有している人は、すべて「売り手予備軍」だと考えていい。

そう考えると、現代の日本社会において「マンションを売る」という行為はかなり身近なものと言える。家族や親族、友人や職場の同僚から、マンションを売った話を聞いたことがある人も多いだろう。ただ、その「売り方」ということになると、個々のケースによって、かなり違った情景になっているはずだ。インターネットの普及が、「売り方」をさらに多様化させた面もある。

 

マンション価格査定サイトは使える?

中古マンションを売却する場合、売り手にとって最も大切なことは、やはり「いくらで売れるか」ということだろう。

目ざとい人は、自宅マンションのメールボックスに投函されたチラシを保存しておいて、「○号室は○年前に○○万円で売り出された」という情報をしっかりと蓄えている。さらにアグレッシブな人はご近所の不動産屋さんと仲良くなって、その物件が実際はいくらで成約したか、というコアなところまでつかんでいる。

そういう人は、地元の不動産屋さん並みに相場観を養っている。きっと自分が売るときになっても、相場以上の価格でうまく売却できる可能性が高い。

しかし、ある日突然売却しなければならない事情ができた人はどうなるのか。あわてて近所の不動産屋さんに駆け込んで、売却の仲介を依頼するのがこれまでのパターンだった。ところが、インターネットの普及によって、最近ではちょっと情景が変わってきた。