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それでも「原発ゼロ」が選挙の争点になりそうもない事情

希望の党が掲げたところで…

争点はまだ見えない

10月22日に投開票を迎える衆議院総選挙は、民進党の事実上の解党によって、「自民・公明」、「希望・維新」、「立憲民主・共産」という3つの勢力におおむね分かれて戦われる構図になりそうだ。政策的にも一枚岩でなかった民主党左派と右派が実質的に分裂したことで、政治理念ではそれぞれの立場が分かり易くなったとも言えるが、各党が何を政策の柱とするのか、まだまだ見えて来ない。

安倍首相は「大義なき解散」と批判されながらも、2019年10月に予定されている消費増税による税収の使途を変更することを国民に問うとしている。「人づくり革命」をキャッチフレーズに掲げ、高等教育の無償化などに増える税収の一部を使うとしている。

 

安倍内閣批判を強める野党側は、当然、増税凍結を掲げて選挙を戦うと見られるが、そんな中で、小池百合子・東京都知事が率いる希望の党は、「脱原発」をもうひとつの政策の柱として打ち出した。

小池氏は、脱原発を主張する小泉純一郎元首相との連携も強くアピールしている。小泉元首相は、2014年の東京都知事選挙で、脱原発を掲げて候補に立った細川護熙元首相を応援したが、その時の都知事選では脱原発は争点にならず、細川・小泉コンビは惨敗した。今度は国政選挙とはいえ、このタイミングで「脱原発」は争点になるのだろうか。

玉虫色のまま進む

実はちょうど今、政府が中長期のエネルギー政策を定める「エネルギー基本計画」の見直しが始まったところだ。現在の第4次基本計画は2014年4月に閣議決定されたが、法令でおおむね3年ごとの見直しが求められている。今年8月から経済産業相の諮問機関である総合資源エネルギー調査会基本政策分科会(分科会長・坂根正弘コマツ相談役)で議論が始まっている。

現在の第4次基本計画の策定に当たっては、原発の扱いが最大の焦点だった。民主党政権は2012年に「2030年代に原発稼働ゼロを可能とするよう、あらゆる政策資源を投入する」という方針を打ち出したていたが、第4次計画では、この民主党方針を「撤回」、エネルギー需給構造の安定性を支える「ベースロード電源」と原発を位置付ける一方で、「可能な限り低減させる」という玉虫色の方針をしめした。

これを受けて定めた「エネルギー・ミックス(電源構成)」の2030年度の目標は、再生エネルギーを22~24%、原子力を22~20%、とするとしている。来年3月末をメドに原案をまとめる第5次基本計画では、これを見直すかどうかが焦点になる。

8月に開かれた分科会では、2030年のエネルギー・ミックスの目標は見直さず、そのまま次の基本計画にも引き継ぐべきだ、という意見が坂根分科会長や事務方から出されたが、委員の中からは、原子力の目標値事態が達成不可能になっているとして、原発の扱いを真正面から議論するべきだという声も出た。