ライフ 週刊現代

石田えりが56歳にして「ヘアヌード」を出す理由

まさか、あの巨匠が撮るなんて…

パパラッチに狙われていたのは誰なのか

塩が浮き出るような真っ白な南仏のプライベートビーチ。そこに突然、バラバラバラというローター音が響いた。空を見上げると、トビラを開けたヘリコプターが頭上で何度も旋回している。

「あぁ、またか」

フランス人スタッフ達が苦笑いしつつ、こう言った。

「パパラッチだ。ピーターのブラックボックスは彼らにとって目印のようなものだからね。撮影していると、しょっちゅう現れる。ハリウッドスターかスーパーモデルの撮影風景をカメラに収めようっていうことさ」

チャーターヘリを飛ばしてスクープを狙うなど、日本ではまずお目に掛からない。が、パパラッチにとって被写体が誰かわからなくても、この人=ピーター・リンドバーグが撮っていれば、それはすなわち「世界的なセレブリティ」の撮影である、だからヘリを飛ばす甲斐はあるということなのだろう。とにかくこの現場は、何もかもスケールが大きい。

その時、まるで魔法がかかったかのように、水平線から白い幕が押し寄せ、30秒かそこらであたり一面が、光り輝く乳白色に覆われた。かつて日本でも大ベストセラーになった『南仏プロヴァンスの12ヵ月』(ピーター・メイル著)に登場した、プロヴァンス地方特有のミストがわき起こったのだ。

「これじゃあ、パパラッチも手も足もでないね」

その言葉を聞いていたかのように、低空にいたヘリの爆音が高く、遠ざかっていくのがわかった。舌打ちが聞こえたような気がしたが、もちろんそれは空耳だろう。暗幕で仕切られたブラックボックスの中では、爆音など気にも留めずとシャッター音が鳴り響き続けていた。その音が、いったん途切れる。

と、アシスタントのステファンが私たちの元にやってきて、言った。

「ここからは何も着ていないから、スタッフは下がって」

10mほど下がったろうか。トレードマークであるダンガリーシャツとキャップ姿のリンドバーグと、黒いロングコートをまとった彼女の姿が暗幕の中から現れ、すぐ霧に溶けた。遠くにうっすら見えていた黒い影が地面に落ちる。と、もう本当に何も見えなくなった。

あのパパラッチは、どこに写真を持っていくつもりだったのだろう……。

「撮られて掲載されてもかまいませんがね。フランスやアメリカの雑誌なら」

やはりパパラッチのことを考えていたらしい。隣で石田えりのマネージャー、S氏がそう笑った。