政治政策

「豊洲」で迷走した小池都知事が、北の有事に対応できるハズがない

「希望」だけでは外交はできない

「北朝鮮版ヤルタ会談」に日本は参加できるか

先週25日(月)の夕方、安倍首相が衆院解散総選挙を打ち出した。その日の朝に、筆者の連載コラムをアップした(「「北朝鮮問題」覚悟を決めた安倍首相と、決められない野党の「大差」」 http://gendai.ismedia.jp/articles/-/52986)。今回の解散の意味を解説するもので、安倍首相の記者会見を意識したものだった。ところが、筆者の解説では、解散理由を北朝鮮問題一本に絞っているが、実際の安倍首相の会見は、北朝鮮問題はその一つに過ぎなかった。

この点に、解散の大義を訝しかった者が少なからずいた。「国難」というが、はっきりいえばその意味は北朝鮮のことを指している。他の争点は付け足しにすぎない。安倍首相は消費増税の使い道について、増税5兆円のうち2兆円を教育に振り替えるなどとしたが、その程度なら、毎年の予算編成において処理可能だ。しかも2年先の話である。それまでに政府内でこの問題を処理するのは難しくはなく、「北朝鮮有事」に比べればたいしたことない。

消費税の使い道についても触れたため、争点として何が重要なのかがわかりにくかったのだろう。9月30日放送の朝日放送「正義のミカタ」では、産経新聞の石橋政治部長がはっきりと「有事解散だ」と解説したが、筆者もこれに同調した。

東京のメディアは、北朝鮮有事解散というと「過度に危機を煽っている」と批判するが、石橋氏の解説は、筆者の一週間前の本コラムと同趣旨であった。そのコラムでも言及したが、安倍首相はトランプ大統領から最も情報を得ていることや、アメリカのこれまでの歴史を鑑みると、他国への攻撃をやりかねないからだ。

 

さらに、別の外形的な事実から見てもわかる。北朝鮮に対する国連制裁は、これまでレベルを上げてきており、おそらくあと1回はレベルを上げる余地はある。だが、イラクなどの過去の国連制裁例からみれば、もう限界といえるレベルだ。あとは、国連軍か多国籍軍による攻撃しか残っていない状態だ。

要するに、対北朝鮮カウントダウンが既に進行中であり、チェックメイトまでもうクビの皮一枚という状態になっているのだ。もちろん対話の模索はチェックメイトまで行われるが、現実には金正恩委員長の第三国への亡命など、相当少ない選択肢しか残されていないと思われる。

さらに、11月上旬にトランプ来日が予定されている。これは北朝鮮問題対応が主なテーマとなるのは間違いないが、11月には米中首脳会談があるので、それに臨む前に日米で擦り合わせが行われることとなる

11月の米中首脳会談は、10月18日から予定されている中国の共産党大会後にセットされる、中国のお決まりの行事でもある。米中首脳会談とはいうものの、実質的には日米中が、今後の北朝鮮体制をとうするか、という極東アジアの安全保障上の最重要問題を話す場になるわけだ。

ひょっとしたら、その後にロシアも参加する可能性もある。いうなれば、超大国であるアメリカ、中国、ロシアによってポスト北朝鮮の統治問題が話し合われるわけだ。北朝鮮版「ヤルタ会談」ともいうべきものになるだろう。今はこれに日本が入れるかどうかの正念場だ。

首相が安倍氏のままなら、トランプ大統領は多分「安倍も入れたい」となるだろう。プーチン大統領も安倍首相との個人的な関係があるので、この提案を拒みにくい。となると、習主席も渋々ながら受けいれる可能性がある。

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しかし、10月の選挙で政権交代が起こり、安倍首相以外が首相になると、日本がこの枠組みに入るのはまず無理である。さすがの小池都知事でも、外交に関してのポリティカルリソースはあまりに少ないので、難しいだろう。