メルケル首相は4選を確実にしたものの…〔PHOTO〕gettyimages
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ネオナチ的発言連発の「ドイツ・右翼政党」大躍進が意味すること

不透明なこの国の政治はどこへ向かう?

ドイツ連邦議会選挙、二重の驚き

9月24日18時過ぎ、ドイツ連邦議会選挙の投票が締め切られ、出口調査の結果がテレビで発表されると、予想外の結果に多くの観察者が驚かされた。

メルケル大連立政権を構成していたキリスト教民主同盟・社会同盟(CDU/CSU)と社会民主党(SPD)は1949年に現在の憲法ができて以来最低の水準まで得票率を落とし、右翼ポピュリスト政党である「ドイツの選択肢(AfD)」が13%を超える大躍進を遂げるという予測結果が出たためである。

確かにメルケル首相率いるCDU/CSUは第一党となり、CDU/CSUなしにどのような政権も成立しないため、メルケル首相の続投となることはほぼ確実となったが、政権与党である2つのいわゆる「国民政党」がここまで支持を失ったことは驚きであった。

また、ネオナチ的発言が繰り返されたにもかかわらずAfDがこれほど支持を得たことも驚きであった。

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大連立政権の終わり

CDU/CSUは32.9%の得票で、2013年から8.6%も減少し、1949年の31.0%以来の最悪の結果であった。1949年はまだ戦後にCDU/CSUが設立されたばかりで、多くの保守系政党が乱立していた時代である。SPDの20.5%は前回から5.2%減で、戦後最悪の数字であった。

SPDは2017年の初めにはEU欧州議会議長であったシュルツ新党首を迎えてメルケル首相を超えるほどの支持を一時集めていたが、選挙結果は惨敗であった。事前のほとんどの調査で敗北は明らかであったが、その予想を大きく下回るものであった。

SPDは東ドイツ地域では特に大きく敗北し、AfDが躍進した州ではCDU/CSU、AfD、左派党に次いで第4党にしかなれないという事態すら生じた。

この大敗北を見るや、SPD執行部は大連立与党であり続けることは党の存亡にかかわると見て、大連立政権を継続しないことを開票作業が始まった段階で早々と明言した。

 

メルケル首相率いるCDU/CSUを除いた連立組み合わせでは政権が構成できず、SPDが大連立政権を継続しないことを表明したことにより、残された政権の組み合わせは「ジャマイカ連立」しかあり得ないことになった。

「ジャマイカ連立」とはCDU/CSUと自由民主党(FDP)と緑の党の3者(4党)連立のことで(正確にはCDUとCSUは別の政党であるが、CSUはバイエルン州にしか存在せず議会内ではCDUと一つの会派を構成するために通常一体と考える)ある。

CDUのシンボルカラーが黒、FDPは黄色、緑の党は当然緑なので、黒、黄、緑の色の組み合わせがジャマイカの国旗と同じであるため、「ジャマイカ連立」と呼ばれるようになった。