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TBSがテレ朝を視聴率で逆転!その「全内幕」

成功法則はあっという間に陳腐化する

守りに入ればすぐにマンネリ化する。変化に踏み切らなければジリ貧。それがわかっていながら、「数字」の低下が怖くて、現状維持を選んでしまう。どの業界も同じだろうが、テレビ界はこれが顕著だ。

何度もやりすぎた

「ようやく追い抜いたよ」

TBSの幹部は本誌にそう感想を漏らした。局内でも編成担当者や制作局のプロデューサー級しかアクセスしてチェックすることができない局別の年間平均視聴率。昨年3位のTBSが、2位のテレビ朝日の背中を今夏、ついにとらえた。

ビデオリサーチの調べで集計された、最新の民放各局の平均視聴率(今年1月2日から9月10日まで)は、次のようになっているという。

■全日
①日本テレビ 8.2%
②テレビ朝日 7.3%
③TBS   6.2%
④フジテレビ 5.7%

■ゴールデン帯(19時-22時)
①日本テレビ 12.3%
②TBS   9.8%
③テレビ朝日 9.6%
④フジテレビ 7.9%

■プライム帯(19時-23時)
①日本テレビ 12.0%
②テレビ朝日 9.9%
③TBS   9.7%
④フジテレビ 7.7%

テレ朝は『羽鳥慎一モーニングショー』など平日午前のニュース番組が根強い人気を誇るため、全日ではTBSは水を空けられている。

 

だが、テレ朝の看板である『報道ステーション』を含むプライム帯で、両局は互角の戦いとなっている。そしてもっとも重要なゴールデン帯ではTBSがテレ朝を逆転しているのだ。

近年は「民放4位」が定位置だったTBSが、'15年に年間平均視聴率でフジを抜き、さらに今年は2位を狙える状況まで回復してきた。実際、9月第2週だけならば、ゴールデン帯の平均視聴率トップはTBSだ。

一方のテレ朝は、なぜ凋落したのか―。

テレ朝は『相棒』『ドクターX』などのドラマが堅調で、首位の日テレを射程にとらえたかに見えた。バラエティ番組も次々とヒットさせ、'12年に'59年の開局以来初めてプライム帯で年間1位を獲得。

'13年にはゴールデン帯でも1位となり、2冠王となっていた。当時は「テレ朝時代の到来か」とも報じられた。

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だが、好調の要因はあっという間に敗因にもなり得る。高視聴率番組が当の視聴者に飽きられてしまったのだ。失速は早くも'14年から始まった。

テレ朝OBでメディア総合研究所事務局長、『放送レポート』編集長を務める岩崎貞明氏が言う。

「'12年のテレ朝には、1クールだけでも視聴率トップを狙うという方針があり、実際にトップになりました。戦略が上手くいったわけです。

その時は高視聴率のバラエティ番組を何度も3時間の拡大版として放送したり、『相棒』の再放送を繰り返したりと、目先の数字をとるためになりふり構わないというスタンスでした。同じ番組の拡大版ということで、経費節減効果も感じました。

とはいえ、『相棒』も拡大版があり、さらに再放送もされては、視聴者も食傷してしまいます。いまのテレ朝は『相棒』や『ドクターX』、バラエティでは『アメトーーク!』など、定番に依存しすぎている傾向にあります」