Photo by GettyImages
地震・原発・災害 不正・事件・犯罪 週刊現代

清水建設・福島第一原発電所内作業所長の「不可解すぎる死」

福島「復興利権」の闇

「復興税」に群がる奴ら

清水建設の男性職員A氏(58歳)が東京都内の社員寮の一室で死亡しているのが発見されたのは、9月8日の朝のことだ。

A氏は、東京電力福島第一原子力発電所内の工事を請け負う作業所の所長を務めていた。下請けのB社と共謀し、作業費用として約3900万円を架空請求した疑いで、社内調査を受けている真っ只中の不可解な「急死」だった――。

 

福島第一原発のある双葉郡大熊町。通行者は国道6号線から離れることはできず、ただ通過することだけが許されている。かつては人でにぎわっていたであろうスーパーや食堂、パチンコ店、ホームセンターなど、数多くの店舗や住宅は放置されたまま荒れ果てていた。

Photo by GettyImages

道を行き交うのは作業員を乗せたバスや資材を運ぶトラックのみ。数ヵ所ある電光掲示板には放射線濃度の値が表示され、いまだ復興へは道半ばの状況がうかがえる。
B社とは別の、清水建設の下請け会社の作業員が言う。

「A所長が行っていたのは作業人員の水増しです。作業員の『日報』や『健康管理チェック表』に、実際には下請けのB社には存在しない複数の作業員の名前を記載し、作業に従事しているように見せかけていた。

現場でも誰ひとり知らない名前だったから、B社の作業員に確認したところ『A所長の命令でそういうことになった』と。

原発の敷地内での作業では、東京電力から線量計の貸し出しを受ける必要があります。なので、架空の作業員は『敷地外』で作業していることになっていました」

ずさんな方法に思われるが、これだけで3900万円もの金額が水増しされていた。
東京電力福島第一原発事故後の5年間で、復興のために投入された予算は実に29兆円にのぼる。

復興庁が発表した今年度の復興特別所得税の歳入予定額は約3800億円。この所得税の増税は、'37年まで、実に20年以上も継続される予定になっている。

庶民に負担を強いる巨額な「公共投資」にもかかわらず、「聖域」扱いの復興事業には国や自治体のチェック機能が働かない。従って、業者による不正が次々と発覚している。

今年5月には福島市が発注した森林除染事業で、通常の森林に比べて竹林の除染は単価が約10倍に跳ね上がることに目をつけた下請け業者が、地面に短く切った竹を置き、竹林に偽装した写真を作成した。それをもとに市に約2500万円を架空請求しており、市は返還を求めている。