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男性を愛した私の、「不倫」との付き合い方

性別の隙間から見た世界【8】

男性として生まれたものの自らの「性別」に違和感を覚え、同性愛、性同一性障害など、既存のセクシャルマイノリティへ居場所を求めるも適応には至らず、「男性器摘出」という道を選んだ鈴木信平さん。そんな鈴木さんが、「男であれず、女になれない」性別の隙間から見えた世界について描いていきます。今回は鈴木さんの恋愛とは無縁?な「不倫」について大いに語ります。

*バックナンバーはこちら http://gendai.ismedia.jp/list/author/shimpeisuzuki

ここらで不倫を「整理」しましょう

「また不倫がニュースなんて、何てしょうもない世の中かしらね?」

と思いながらも、ここまで話題になる理由って何なのだろうなんて考えていたら、あっという間にミサイルが飛び、アメリカと北朝鮮が罵り合いを始めてしまった。

 

内容は極めて深刻なのに、罵倒し合う言葉の選択が余りに幼いから、いまいち本気で聞く気になれない。

そんなことを思っている間に「衆議院解散」なんて言葉が飛び出してきて、「え、子どものケンカみたいだけど一応は有事じゃないの?」と思ってみたら、今度は「都知事になって最も成長させたのは、私の野心です!」って言い出しそうな人まで登場する始末。近い未来には政治家の記者会見って、「子どもに見せたくない番組」にランキングされてしまうのではないか?

結局のところ今、最も価値があり信頼に足るのは、実力でファンを集め、下降曲線ではないにもかかわらず自らの意志で決意した、「安室ちゃんの引退」ということになった。特別なファンではなくとも私世代ならば青春の隅々にまで安室ちゃんの楽曲は流れているから、おかげで朝からテレビを前に安室ちゃんと一緒に歌い、会社に遅刻しそうな羽目になる。

政治家の皆さんは、安室ちゃんの生き方から「覚悟」とか「信念」とか「人を動かす力」といった、政治家にこそ必要な要素の多くを是非学んでいただきたいと思う。

そんな時勢を踏まえながらも私は、時折「はしか」のように世間をにぎわす「不倫」への考えを一度整理しようと思う。なぜかと言えば、先日も不倫に関する相談が持ち込まれ、いよいよ本格的にうんざりし始めているからなのかもしれない。

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なぜ、私に相談するの?

本音で、異次元の話。

今までの40年近く、私は「自分の性」を手懐けるのに精一杯だったから、確信を持ちながら、自分には愛する権利があって、愛される資格があるなんてことを思わずに生きてきた。だから将来に描く自分がおそらくは独居老人であることも、健康に在宅で暮らす程に間違いなく孤独死の対象であることも、現実を想う程に想像は容易い。

よって、伴侶のいない夢見がちな中年となった今、自分の足元を不安定にする不倫に興じるよりも、そもそも好きで一緒になった伴侶を大切に愛して、安定した日々を過ごす方が余程幸せだと考えている。

なぜ求めた幸せを反故にするリスクを背負ってまで他に行くのか? 一つを終わらせることなく、もう一つを求めるのか?

私には、その動機が見つけられない。