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怒るのはサムイ?卑劣なハラスメントに女子が声を上げられない理由

「自分が悪いかも」という刷り込み

触られるだけでもありがたいと思え

仕事をしに来ているはずの職場で、美しさや家庭的な側面を求められ、その方向に進めなければ、いじられる。時代錯誤のハラスメントが蔓延する日本の職場。どうして女性たちは声を上げないのだろうか。

3回目の記事で書いたアキラさん(20代)の場合、このようなふるまいを求められていたと感じるのは社会人になってからに限らない。話は大学時代までさかのぼる。

 

「学生の時からそうだったんですよ。1~2年の時は男の子みたいな扱いされていて……まぁアキラは男だからみたいかな感じで言われて、化粧したりスカート履いたりすると笑われるみたいな。先輩たちから、そういうこと言われて怒ったり悲しんだりするのは大人じゃないとかサムイって言われて」

「3~4年になってから女としては扱われるようになったんですけど、何をしてもいい女の子、何をしても気にしない子みたいなかんじになっちゃって。ある男の先輩が胸とかお尻とかを触ってきて『ほんとやめてください』とか言うと、怒るのがお前サムイぞみたいなこと言われました」

「触られるだけでありがたいと思えみたいな感じ。こういうときにアハハって笑って受け流すのがいい女だぞ、って思ってるんですよね、そういう人たちは」

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どこの昭和のセクハラオヤジかと思うが、これはたかが3~4年前の話。相手の男性も当時大学生だ。このような中で、アキラさんは可愛げのある女の子路線に進む同期などを横目に、「コイツには何言ってもいい系女子」路線に突き進む。

「正直、こっちのほうが向いているというか。楽かなって思ってしまっていた部分があるかもしれないですね。女として努力すればするほど笑われちゃう、勝ててないって思われるんじゃないかっていうのがあって。大学1~2年の時の経験から、私ブスな子なんだっていうのが自分の中にしみついてるんですよ」

取材を始める前、「コイツには何言ってもいい系女子」はむしろアイドル扱いされる女の子たちのように男に媚びるまいと“名誉男性”的なふるまいに走っていて、それにより仲間に入れてもらえるなどのメリットも享受しているのではないかと考えていた。

しかし、アキラさんは「どうなんだろうな。3分の1は他の女の子といるよりも気が楽と言われることもあったので、それはそれで嬉しかったですけど、3分の2はやっぱり嫌でした」と語る。