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衆議院「解散・総選挙」でデフレ克服が大コケするリスクあり

残された時間はわずか2年

「決定力」なき野党に失望

週明け以降、衆議院の解散・総選挙の可能性が急激に高まっている。9月23日には主力紙が「政府与党が、9月28日の臨時国会冒頭での衆議院解散、10月10日公示、22日投票で最終調整に入った」と報じた。その後のニュースはほぼ衆院の解散・総選挙一色となっている。

衆議院の解散権を持つ安倍首相は、インタビューで、「具体的な日程については、訪問先のニューヨークから帰国する9月22日以降に判断する」と述べており、解散の有無や日程については現時点では、明らかにされていないが、連立与党である公明党の山口代表と会談するなど、事前の調整が着々と進んでいるようである。

 

今年の半ば以降、「一強」といわれた安倍内閣の支持率が急落し、一時は政権の存続が危ぶまれる水準まで低下した。支持率急落の理由は、「森友・加計問題」だったが、問題がほぼ沈静化した現時点で振り返ってみると、結局、あれも何だったのかよくわからない。

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野党をはじめとする反安倍勢力は、「政権が、首相の『お友達』になんらかの便宜をはかったのではないか」という疑惑を激しく追及したのだが、違法な政治献金などの話は一切出てこず、最後は、「学びの場であるはずの(加計学園の)新校舎に大食堂やワインセラーがあるのはけしからん」という、わけのわからない問題に矮小化されてしまった。

「お友達のところに莫大な補助金が支給されうる」ことをワイドショーなどを通して、うまく庶民の妬みに結びつけたところまではよかったのだが、結局、肝心の政治腐敗まで迫ることができなくなってしまったため、庶民もすっかり飽きてしまったのか、より下世話な政治家や芸能人の不倫問題に話題は移ってしまった。「森友・加計問題」も庶民にとっては、しょせんその程度の内容だったのであろう。

とはいえ、これまでの「森友・加計問題」の流れから考えると、安倍首相が衆議院の解散・総選挙に踏み切るのは、野党にとっては、安倍政権を打倒する絶好のチャンスが到来したことを意味するはずだ。だが、なぜか野党からは解散を歓迎する声は全く聞かれない。それどころか、「大儀のない解散には反対である」と、みすみすチャンスを逃すような発言を繰り返している。

かつて、サッカーのワールドカップで、見事なスルーパスを受けて、ゴールキーパーと一対一になりながら、自分がゴールを決める段になると緊張のあまり遠くの味方にパスを出してしまったフォワードの選手がいたが、いまの野党の解散に対する姿勢は、これと似ているような印象を強く持ってしまう。

このことは、結局、野党の方も、なんら、中長期的なヴィジョンを持つことなく、単に安倍政権(もしくは首相)を国会の場でいじめて溜飲を下げていた(もしくは、有権者に対するアピール)に過ぎないというのが、「森友・加計問題」の本質ではなかったかと考えざるを得ない。このような野党の姿勢には正直いって失望する。