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「ハイスペック女子」豊田真由子議員が犯した致命的な失敗

プライドが高いと、あの言葉がいえない

20代後半になって悔し泣き

「この、ハゲーーっ!」録音が公開されて一時期は連日ように報道されていた豊田真由子代議士のことを、騒動になる少し前に『ハイスペック女子の憂鬱』という本の中で書いたことがある。報道でご存じの方も多いと思うが、彼女は東大法学部出身、厚生労働省のキャリアから代議士になった。子供が2人いる。

彼女とハーバード大学で一緒だった私の友人が彼女のエピソードを話してくれた。

初めて学んだ科目で彼女は、よく理解できず、「この世に自分が理解できないものがあるなんて」と、授業の後にしくしく泣いていたそうだ。10代ならまだしも、20代後半になって悔しくて泣くほどの激越さをもっていたことに友人は驚いていた、と本で紹介した。

 

その後、彼女は役人から政治家の道を選び、自民党代議士となり、園遊会で招待者でない母親らしき親族を同伴して強行入場しようとしてトラブルを起こし、さらに秘書に罵声を浴びせた上に暴行を加えて注目を集めたわけだ。騒動以降は体調を崩して入院生活を送っていたそうだが、自民党には離党届を提出し、今後も議員活動を続けていくことを明言している。

先週、記者会見で3ヵ月ぶりに公の場に姿を現した。しかし、その内容を見て謝罪する態度ではなかったと感じた方が多かったようだ。

特に、彼女がいた厚労省の部下の働きと現在の秘書を比較し、そもそも秘書はモチベーションが低くそんな彼らがこなすには無理な仕事を振り過ぎた、というような趣旨の話には違和感があった。結果的にあの場で自己優位性を示すこととなり、謝罪のムードが薄れてしまった。「自分は仕事ができる人なんです」というプライドは隠さないといけない場だったはずなのに…。

そもそも今回の事件の本当の原因は、彼女自身のマネジメント能力の欠如と、何人もの秘書が彼女に恨みを抱きながら辞めていき自分といつか刺し違えるかもしれない、という危機感がなかったことだと思う。

彼女がその代表かどうかは別として、いわゆる「ハイスペック女子」は並べてプライドの高いところは共通している。また、もともと能力が高く、周囲の期待に応えようとする気持ちが強い。子どもの頃から周囲の期待を背負っていただけに競争心も強く、周囲のライバルに負けたくないという思いは人一倍だ。今回のテレビに流れた豊田氏の音声を聞くたびに、ハイスペック女子の負けず嫌いのメンタリティを思い起こさざるを得ない。

ちなみにハイスペック女子とは高学歴・高能力で、一般には有名ブランド大学出身で高収入の女子を言うようだ。とはいえ「ハイスペックかどうか」は「周囲がそう思うか」どうかであり、一定の客観基準があるわけでない。

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しかし、周囲が認めるようなブランド大学を出ていれば高収入であることが多く、ハイスペック女子と見られやすいキーポイントは学歴だろう。一般的には難関とされている大学を卒業しているだけに、彼女らは負けず嫌いの頑張り屋さんで、経済的には恵まれた家庭で厳しく育てられてきた人が多い。

だからこそハイスペック女子は、競争心が強く、厳しい仕事でも頑張れるのだ。専業主婦からは羨望の的になったりもするが、逆にキャリアを簡単には捨てられない気持ちが比較的強い人も多い。