左がフェラーリ365GTB/4「デイトナ」(Photo by gettyimages)
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40年前の「奇跡のフェラーリ」その修理にかかる手間ヒマとお金

日本屈指のメカニックが解説

オーナーの「余裕」が感じられる

フェラーリ365GTB/4シリーズ、通称「デイトナ」のなかでも大変に貴重な、公道走行が可能なアルミニウムボディの個体が発見された。なんと日本の岐阜県の納屋で、約40年間保存されていたものが見つかったとのことだ。

この個体は、すでに海外のオークションで落札されたようだ。落札価格は180万7000ユーロ(約2億3400万円)だった。

まず365GTB/4(以下デイトナ)とは、どんな車か簡単に解説してみたい。

 

デイトナのエンジンは、コロンボ系統のエンジン(設計者ジョアッキーノ・コロンボの名前をとってそう呼ばれる。長期間にわたり、フェラーリエンジンの基本設計として踏襲されたエンジンのこと)最大級のパワーを誇る。またそれだけでなく、7000rpm(回転毎分)超まで荒々しく一気に吹け上がる、かなり尖った特性を持つ。

デイトナのエンジン

実際に乗ってみると、600ps以上が主流となった現代のスポーツカーに慣れていても、車体が軽量なため結構な加速をするのに驚かされる。

サスペンションのセッティングも、かなり大きくリアをスライドさせながらのドライビングを想定しており、速さと引き換えの危険な香りが濃厚に発散する。やはりデイトナは、かつてのフェラーリを代表する1台である。

業界に居る私の感覚からすると、10年ほど眠っていたクラシックフェラーリの買い取り査定に何件か立ち会った経験があるので、クラシックフェラーリが長期保管された後に売却されるケースは、そう珍しいことではない。

こうしたケースからは、「保管場所に困らない」「乗らなくても、差し当たって現金に換える必要がない」といった、フェラーリオーナーになれる方々の余裕を感じられる。

だが今回のデイトナは、その希少性と40年という眠っていた期間の長さ、どちらも別格なため、これだけ話題になるのも納得である。