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「弁護士になりたい若者激減」が示す、日本の明るくない未来

受験者、合格者ともに減・減
磯山 友幸 プロフィール

何のための改革だったのか

難関な試験を突破して資格を取得する弁護士や公認会計士、税理士などでは、2000年代の規制緩和の流れの中で、合格者を大幅に増やす試験制度改革が行われた。

役所が行政指導によって不正や紛争を防いでいた「事前規制型」のスタイルから、問題を起こした企業を処罰する「事後規制型」へと転換していく中で、専門人材の大幅な拡充が不可欠になるという判断だった。とくに、弁護士の数が圧倒的に足らないという認識が司法制度改革の根幹にあった。

 

その後、資格保有者が急増したことへの批判が業界内部から高まり、弁護士だけでなく、公認会計士でも合格者の「抑制」が行われた。その結果、試験が再び「難関化」するとのイメージが広がり、受験者が司法試験でも公認会計士試験でも激減する事態になっている。

景気の好転で、公認会計士は再び人手不足が問題になっており、受験者の減少が会計士業界の大きな難題になっている。

弁護士業界には、合格者を再び増やせという意見もあるが、そうした声は一部で、競争相手が増えると自らの仕事が減るとして反発する声の方が大きい。

一方で、長期的には少子化が改善する見通しはなく、このまま受験者が減り続ければ、法曹界に優秀な若者が来なくなるという危機感を抱く人たちもいる。

来年以降も司法試験合格者の減少が続き、旧司法試験時代と変わらない1500人未満の合格者数になっていくのか。あるいは将来の法曹人口の増加に向けて合格者を増やすべきだという議論が再び活発になるのか。

法曹のあり方は日本社会の今後のあり方にも大きく影響するだけに、司法試験の行方に注目すべきだろう。