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「年金マネー3兆円」注入でこれから確実に上がる「66株」全実名

不安定相場のいまだからこそ

国民の資産である年金マネーの投資先をめぐって、この夏、ある重大な「運用改革」が断行された。新たな投資先リストにズラリと並ぶ会社は当然、株価上昇が「鉄板」――その全実名を公開しよう。

1年前から入念に準備

港区虎ノ門にそびえたつ虎ノ門ヒルズ森タワーの7階。GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)が入るそのオフィスフロアーに、昨年からひっそりと「新組織」が発足していたことはあまり知られていない。

市場運用部スチュワードシップ推進課――。

一見するとなにをするのかわかりづらい名称だが、実はGPIFが新たに巨額マネーを投じるプロジェクトを進めるための「司令塔」として発足。国民の年金マネー150兆円の「新しい投資先」を検討するという重責を担って新設されたものである。

そもそも、GPIFは運用資産の2割強にあたる30兆円ほどの巨額を日本株に投資する巨大ファンド。その投資方針ひとつが大きく株価に影響することから、ヒレを動かすだけで大波を引き起こす「クジラ」に喩えられるほどに、マーケットでは怖れられている。

そんなクジラが新組織を立ち上げてまで「運用改革」に乗り出したのだから、一大事といえる。

 

新しい組織への力の入れようはその「人事」からもうかがえ、課を率いるリーダー(課長)には、三井住友信託銀行で審議役も務めた「金融のプロ」である小森博司氏を抜擢。

同じく、大和証券で10年以上も株式戦略を担った金融エリートの塩村賢史氏もこの課にかかわらせる人事が発令されたほどである。

気になるのは、そのスチュワードシップ推進課が新しく取り組む運用がどのようなものなのかということだが、GPIF関係者は、「ESG投資です」と明かす。

ESG投資とは聞き馴染みがないが、Eは環境(Environment)、Sは社会(Social)、Gは企業統治(Governance)を指し、短期的な利益ばかりを追い求めるのではなく、社会や環境にも配慮している企業を高く評価。

そうした企業に多くのマネーを投資することで、中長期的により大きなリターンを稼ぐことを目指したものだという。

前出の関係者が続ける。

「近年、日本企業の中には目先の利益を追うあまり、労働問題などを放置しているブラック企業が目に余る。こうした企業は見せかけの業績はよくても会社の内情は腐敗していて、その実態が表面化した途端に株価が暴落する。

そうした企業が続出している中にあって、企業の財務状況だけではなく、非財務的な要素も勘案した『ESG投資』をしたほうが、長い目で見た時に投資リターンが大きくなるとわかってきた。

こうした事態を踏まえて、これまでは日本企業全体にほぼあまねく投資してきたところを、運用改革してESG投資に多くの投資マネーを振り分けることに決定した。

スチュワードシップ推進課は約1年かけて、まさにその具体的な投資戦略を練ってきたわけです」