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トランプが言う「あらゆる選択肢」は実際、どのくらい現実的か

対北戦略、意外と手詰まりかも…
海野 素央 プロフィール

世論調査の動向の中で、ことに右派的な支持基盤がどのように北朝鮮の核・ミサイル問題を捉えているのかが、同大統領の意思決定に影響を与える最大の要因になると言っても過言ではありません。

「強いリーダー」にこだわる限り…

トランプ大統領には「強いリーダー」に対するこだわりがあります。内政・外交・安全保障全ての領域において「強いリーダー」だと認識され続けたい、という欲求を持っているのです。

裏を返せば、トランプ大統領が対話や融和政策を「強いリーダーのとる道ではない」と考えていることそのものが、大きな懸念材料になってきます。しかも前述したように、トランプ大統領にとって、「調整上手」であることはこうした「強いリーダー」の資質に含まれていません。いくらテーブルの上に多くの「選択肢」を並べても、大統領当人のリーダーシップが不十分な限り、北朝鮮問題が前進することはないでしょう。

 

きわめて限定的な国内の支持基盤(=白人保守層)のみに焦点を当てて大統領の座についたトランプ大統領にとって、北朝鮮問題のように多くのステークホルダーが関わる課題に取り組み、各国間の「温度差」や「溝」「相違」を埋めるーーつまり「調整型リーダーシップ」を発揮することは、もっとも苦手とするところです。事ここに至っては、ステークホルダーではない第三国の調整型リーダーが、米朝の仲介役を果たすことを期待せざるを得ません。