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北朝鮮

北朝鮮のミサイルは、実は三沢基地を狙っていた可能性

飛び越えたのは北海道ではなかった

青森にあるミサイル迎撃システムの「目」

日本海に面する青森県中西部のつがる市富萢町に、航空自衛隊三沢基地(北部航空方面隊司令部)の車力分屯基地がある。同分屯基地には北部航空方面隊麾下の第21、22高射隊と防衛省直轄の航空システム通信隊が駐屯している。

だが、いまだ多くの国民は知らないが、実は在日米軍のミサイル防衛(MD)用の移動式早期警戒レーダー「Xバンドレーダー」が配備されている。このXバンドレーダーは、10月に京都府京丹後市丹後町の航空自衛隊経ケ岬分屯基地にも配備されて、年内に車力分屯基地のものと合わせて2基体制で本格運用される。

米軍の地上配備型ミサイル迎撃システム(THAAD)の「目」となるもので、北朝鮮の弾道ミサイルの早期警戒、発射・着弾地点の予測、弾頭とオトリの識別などを行う。探知距離は約4000キロ。簡単に言えば、ミサイル追尾のための多機能レーダーである。

そして、発射を探知・追尾して得たデータをリアルタイムで海上に展開するイージス艦や地上のミサイル迎撃部隊に送付する。そのデータは自衛隊も共有し、現在、瀬戸内海を挟んで中国・四国地方に配備されている航空自衛隊の地対空誘導弾PAC3で対応する。

ミサイルが飛んだのは「北海道上空」ではなかった

なぜ、本欄でXバンドレーダーを配備する車力分屯基地を取り上げたのか。

北朝鮮は8月29日午前5時58分頃に首都平壌・順安(ピョンヤン国際空港敷地内)から新型中距離弾道ミサイル(「火星12」)を発射、日本上空を通過して同6時12分頃に北海道・襟裳岬の東約1180キロメートルの太平洋上に落下した――これがマスコミ報道である。

ミサイルの軌道北海道上空を通過して襟裳岬の沖合へ、と報じられたミサイルの軌道(Photo by Getty Images)

しかし、その「日本上空」は「北海道の渡島半島や襟裳岬の上空」(菅義偉官房長官会見)ではなく、もう少し南に下がった津軽海峡沿いの上空であった。

同海峡沿いには青森県側に海上自衛隊の竜飛警備所、北海道側に同松前警備所、松前警備所白神支所、同函館基地隊が点在するが、肝はXバンドレーダーが配備されている航空自衛隊車力分屯基地だ。