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新型リーフで確信 EVは航続距離で競う時代ではなくなった

では、勝つためにはなにが必要か

7年間で倍増

日産自動車は9月6日、EV「リーフ」をモデルチェンジして発表した。2010年に初代リーフを発売して以来、7年ぶりとなる2代目だ。価格は315万円。日本の追浜工場、米国、英国で生産する。

肝心の機能は、大容量電池を搭載したことで初代に比べて航続距離が2倍となり、1回の充電での航続距離は400キロ。初代の発売当時の航続距離が200キロだったのを、電池の性能を上げて228キロ(2012年)、280キロ(2015年)と徐々に航続距離を伸ばしてきたが、7年間で倍増させたことになる。

今回のモデルは売り方がポイントだ。日産は、EVがまだ珍しかった時代の初代リーフを「環境意識の高いユーザー向け商品」と位置付けたが、今回は「乗って楽しいクルマ」として売り出す。EVが当たり前のように流通する時代になって排ガスゼロをアピールしても消費者の心には響かない、と判断したのだ。

この点について日産の西川廣人社長は「EVはもう特別な存在ではなくなった。航続距離も、もはや差別化要因ではない。どれだけ魅力的なクルマを造ることができるかが競争で勝つための大きなカギとなる」と語る。

実際、今回のリーフの武器の一つが「e-ペダル」だ。このe-ペダルのシステムが、ガソリン車やディーゼル車にない乗り心地を提供する。e-ペダルでは、アクセルペダルから足を外すと、エンジンブレーキの4倍で減速させる仕組で、街中を走る日常走行のほとんどはアクセルペダルの踏み外しだけでクルマの運転が可能となる。

 

走行中にアクセルペダルから足を外せば、ブレーキを踏んだ時と同じように後部のブレーキランプが点く仕組みとなっている。もちろん緊急時にはブレーキペダルを踏む。回生ブレーキシステムと呼ばれる電子技術と、これまでの摩擦技術を使った機械のブレーキを融合させて誕生させたシステムだ。

e-ペダルは、日産が2016年秋に発売した「ノートe-POWER」から搭載した機能で、それをさらに進化させて、ノートではブレーキとアクセルペダルを踏み替える回数が7割減だったのを新型リーフでは9割減にまで落とした。

この他にも国内メーカーでは初となる完全自動の駐車システム「プロパイロットパーキング」機能も搭載。後ろ向き・前向き駐車や縦列駐車ですべての操作をボタン一つで自動化した。

日産の担当者は「ハイブリッド車を卒業した顧客を取り込みたい」と意気込む。日産のハイブッド車に対するライバル意識は強い。e-POWERは、エンジンとモーター併用のハイブリッド車だが、「ハイブリッド」という言葉を一切使わない広報・宣伝戦略を展開している。