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霞が関で「開成官僚」VS.「麻布官僚」大戦争が勃発中

受験エリート「トップ2校」が罵り合い
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結果、両校が生んだ官僚は明らかに対照的だ。

開成から大蔵(財務)次官には、戦後5名を輩出している。そのうち森喜朗政権で次官を務めた武藤敏郎氏はもっとも有名な官僚の一人だろう。

「バランス感覚にすぐれた、チームプレイ型の官僚ですね。その点が森元総理にも気に入られ、五輪組織委の事務総長にまで選ばれた。何度も日銀総裁候補となりましたが、調整型の古いタイプの官僚です」(政治部デスク)

この7月の人事で経産次官に昇格した嶋田隆氏も開成OBだ。

「控えめな性格ですが、人望は厚い。与謝野馨氏の側近中の側近として幾度も秘書官を務め、東電改革を推し進めた」(同)

財務次官を務めた故・香川俊介氏と開成で同期だったのが、「官邸のアイヒマン」との異名をとる北村滋・内閣情報官だ。「内閣情報調査室開成会」の主宰者でもある。

「頭脳明晰で、安倍総理から絶大な信頼を得ている。内調を牛耳り、メディアも使って数々の情報戦を仕掛けている人物です。前川前文科次官の『出会い系バー通い』報道を読売にリークしたのも北村氏のラインだ」(同)

そう、最近の麻布官僚といえば前川氏だ。加計学園の獣医学部新設問題で、「行政がゆがめられた」と明かした異色の官僚だ。'73年に麻布高校を卒業した前川氏が語る。

「麻布という学校は非常にデタラメな学校でした。自由を通り越して放埒、無秩序、無法地帯ですね。

特に私がいた6年間のうち、ほとんどの期間は学園紛争でした。ヘルメット姿の人たちが暴れ、弾圧的な校長代行と教員が対立していた。高2のときに学校がロックアウトされ、友達と信州旅行をしたのを覚えています」

麻布では何を学んだか?前川氏が続ける。

「ほとんど何も教えてくれない。非常に保守的な先生もいれば、明らかな唯物史観を教えている世界史の先生もいる。いろんな人がいろんな考え方でやるというカオスな環境。

そこで培われたのは、自分以外は信じられないという考え方でした。今ある秩序や権威を相対的に見るという見方ができるようになったのです」

 

麻布で前川氏の1学年下が、前出の古賀茂明氏だ。ともに'70年代前半の麻布の学園紛争を経験している。古賀氏が言う。

「前川さんは『面従腹背』と言っていましたが、相手が威張っているのを見ると抵抗したくなる『麻布のDNA』があったのかなという気がします。

麻布の学園紛争の過程では、生徒たちが退陣に追い込んだ(山内一郎)校長代行は、後に横領と詐欺で逮捕されます。権力は悪いことをやるものだという感覚を、いつでも持っているんですね」

開成と麻布の違いは?

「開成はバンカラな旧制高校というイメージです。一概にはいえないが、運動会に命を懸けるみたいなところがあって、組織重視という感じかな。それと、トップを目指すという印象も強い。

麻布は組織の規制を極端に嫌う。校則はないし、僕たちの年代では、運動会も実行委員会が分裂したり、修学旅行も意見がまとまらず学年全体では実施できなかった。上を目指す感じはゼロ。ふざけてるやつが一番偉いという文化がある。

麻布の先生は『東大合格者数1番なんて絶対ダメ』と話していた。次官なんて、僕らからしたら超ダサい」(古賀氏)

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