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大予想!「小田急線複々線化」でダイヤはこう変わる

建設費回収は可能なのか?

来年3月に東北沢〜世田谷代田間完成

昭和50年代には、東京圏の各地で盛んに新線建設や複々線化が行われていた。日本の人口が増加していたのに加えて、地方からの人口の流入が進んでいた。また、バブル期には、都心部の地価の上昇により都心から離れた近郊部に人口が移動した。

そのため、都心と近郊部を結ぶ鉄道の旅客数が増加し、それに応じて輸送力の増強が進められたのである。つまり、鉄道の大規模プロジェクトは、旅客の増加を後追いする形で行われたので、増収分で工事費が回収できた。

 

今日、全国の人口の減少が始まり、少子高齢化により、まず就学年齢人口が減少し、今後、生産年齢人口の減少と続くことになるであろう。東京圏といえども、数年後には人口が減少に転じる。

いまや輸送力増強工事は、需要の増加に対応したものではなく、本来、公共が政策として取り組むべき混雑率の低下による「快適通勤」が目的となっている。複々線化それ自体が需要を生み出すわけではなく、建設費を回収するには、混雑緩和やスピードアップにより、他の路線からの旅客を奪い取らなければならないのである。現在は、輸送力増強のための補助制度はない。

小田急電鉄は、来年(平成30年)3月に東北沢~世田谷代田間の複々線化が完成し、これにより、代々木上原から和泉多摩川までが複々線となる。

さらに、和泉多摩川から向ヶ丘遊園までは上り線のみ2線になっているので、朝のラッシュ時には向ヶ丘遊園から代々木上原まで各駅停車と急行・準急などの優等列車と別々の線路を走ることができるようになる。1時間に複線で運行可能な本数は通常24~30本程度で、複々線化により単純にその倍の本数が運行できる勘定である。

現在、平成25年3月に完成した東北沢~世田谷代田間は深い急行線の複線のトンネルを使っているが、新たに、地平を走っていた旧線の直下に浅いトンネルを完成して各駅停車専用とする。地下化と複々線化の全体工事の建設費は用地費を含めて1400億円で、地下化の際に駅部の工事の大半を終えているので、新たに投入された工事費は300億円程度と推測する。