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「痴漢」は病気です。些細なきっかけで誰でもなる可能性があります

「四大卒の会社員で既婚者男性」が多数

痴漢の「意外な真実」

官能小説においては、“満員電車での痴漢”というシチュエーションはメジャーだ。信じられないかもしれないけれども、男性向けだけではなく、女性向けのティーンズラブノベルや、ラブロマンス小説でも同じ。むしろ、「とても人気がある」といってもいい。

もちろん、痴漢のシチュエーションに萌える――もっと具体的にいうとオナニーのオカズに使う女性たちは口を揃えていう。「妄想だからいいのであって、実際の痴漢は許せないし、もしも自分が遭遇したら警察に突き出す」と。

 

だから、この文章を読んだ男性読者の方は、「女は痴漢をされると喜ぶ」なんていうことは、決して決して決して思って欲しくない。大切なことだから、もう一度言うけれども「女性が痴漢行為に萌えられるのは、あくまでも妄想だからで、実際の痴漢は許せない」

ということを大前提に置いて話を進めるが、なぜ本来は忌み嫌っているはずの、痴漢が出てくる女性向けポルノが存在するのか。その理由を考えてみた。

ひとつは、ホラーやサスペンス、幽霊モノと同じく「イヤだけどドキドキと興奮する」から。殺人鬼やおばけには、現実では遭遇したくないが、これらもコンテンツとしてならば、楽しむことが出来る。

もうひとつには、受け身の快楽だ。昔に比べると、いまは、実際のセックスの場においては、女性も積極的に動くことが求められることが多い。それは男女の同等を目指す考え方からすると、とても正しいことではあるけれど、一方で、そういう正しさだけでは、性欲は満たされないこともある。

ようするに、「自分は一切動くことなく、ただ相手側から一方的に与えられる快感に浸りたい」ということだ。妄想の上での痴漢は、都合よくその願望をかなえてくれる相手でもある(再三になるが、現実の痴漢に触られても、女性の圧倒的多数が覚えるのは「快感」ではなく「嫌悪」だ。それは触り方の上手い/下手の問題ではない)。

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痴漢モノの女性向けポルノ作品について、友人の官能作家の深志美由紀先生から興味深い発言を聞いたことがある。それは「痴漢モノが女にウケるのは、永遠の愛撫だから」ということだ。確かにこの見解は納得できる。

女性向けポルノ作品のひとつの特徴としては、挿入シーンがそこまで重要視されていないことがある。もちろん、なくてはならないのだが、むしろそれまでの過程のほうが事細かに描かれる。クリトリスでエクスタシーを感じることに比べると、膣内に挿入されてイクことは少し難しい。なので、よりリアルに実感できる「愛撫」のほうに重きが置かれるのだろう。

それ以外にも、女性向けポルノ作品の痴漢には大きな特徴がある。それは、男性主人公がヒロインに対して、思わず痴漢行為をしてしまうのは、「愛しすぎていること」が原因なのだ。

度が外れすぎているとはいえ、熱烈な求愛行動としての痴漢行為からこそ、女性たちは萌えることが出来る――前置きが長くなったが、そういうことを踏まえて、非常に驚きを覚えたのが、アジア最大規模といわれる依存症治療施設、榎本クリニックの精神保健福祉部長(精神保健福祉士、社会福祉士)の斉藤章佳氏の著作『男が痴漢になる理由』(イースト・プレス刊)に書かれていた「痴漢の約5割は行為中に勃起してない」という事実である。