北朝鮮

元経済ヤクザだからわかる、北朝鮮「過剰な挑発」の真意

アメリカが沈黙するのが怖いから
猫組長 プロフィール

北朝鮮は「アメリカの沈黙」を恐れている

まず理由の一つが「沈黙の回避」である。暴力団が相手(暴力団)を強迫する際に「いわす(殺す)ぞ」「沈めるぞ」と言葉にしているうちは実は安全なのだ。一番怖いのは「沈黙」で、相手が「沈黙」したときこそが次にアクションを起こすサインなのである。

つまり、アメリカが沈黙した時こそ、本気で仕掛けてくるということだ。北朝鮮はアメリカに沈黙して欲しくないので、挑発をしながら言葉を引き出しているのだ。一連の挑発行動こそ、まさに外交安全保障として機能しているのである。

もう一つは、ミサイルの発射実験が武器ビジネスの「最高のショーケース」になっている点だ。ICBMは北朝鮮製の武器のフラグシップモデルであり、その性能を見ればお客さんは「北朝鮮製の他の武器も良い性能に違いない」となる。

しかも一回発射すれば世界中で報道してくれるし、多くの国の調査機関が性能まで割り出してくれるのだから、宣伝活動にうってつけということになる。

 

さきほど、石油はドルが支配していることを明らかにしたが、ドルが支配するほかの取引に「武器」と「穀物」である。

今年3月、北朝鮮についての気になるニュースがあったことをご存知だろうか。それは、SWIFT(国際銀行間通信協会)が、北朝鮮のすべての銀行に対して銀行間決済に必要な通信サービスの提供を停止するというものだった。これは北朝鮮が外貨――特にドルを獲得するルートを遮断されたことを意味している。

燃料と食料が欲しい北朝鮮としては自国産の武器を販売することで、是が非でもドルを手に入れなければならないのだ。昨年わずか5回しか行わなかったミサイル発射実験が、SWIFT遮断以降9月まで11回も行われている事実がその根拠といえよう。

ではミサイル発射が兵器のショーウインドーだとすれば、9月3日の核実験はどう考えたら良いのか。現在の世界情勢から考えると諸外国で核実験はほとんどできない状況だ。あのアメリカでさえ臨界核実験に切り替えて、爆発させずに核兵器の品質を維持しているほどである。

しかしこの地球上で、そうした非難を一切気にせずに核実験を行える唯一の国……それこそが北朝鮮にほかならない。核開発は北朝鮮が独占分野となっているのである。