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ブルーバックス

あの香水の正体は動物のアソコの匂いだった…⁉

フェロモンと取るかどうかはあなた次第

セクシーなのは当たり前?

「いつも何を着て寝ているのですか?」「シャネルの5番だけよ」―こんな色っぽいやりとりを残したのは、かの名女優マリリン・モンローだ。ココ・シャネルが1921年に発売した香水「シャネルの5番」は、その香りが持つ魅力だけでなく、女性の社会進出の象徴として、現在でもセレブから庶民まで広く愛される逸品だ。

万人を虜にするシャネルの香水の香り、実は発売以来それほど調合に変化を加えていないという。この傑作を生みだした調香師はロシア系のフランス人であるエルネスト・ボーという人物。第一次世界大戦の戦火が燻るフランスで、バラやジャスミンといった花の香りを独自に調合し、幻想的な香りを作りだしていった。

だが、それだけでは異性に強烈に訴えかけるフェロモンを醸し出すことはできない。ここで用いられるのが、動物から採れる香りなのだ。

 

実は、香料を採れる動物は4種類しかない。まず、マッコウクジラが挙げられる。クジラの腸内に溜まった結石を「竜涎香」と呼び、これは香料として用いることができるだけでなく、他の香りを持続させる効果を持つ。

次にジャコウジカ。雄の腹部に香嚢と呼ばれる分泌腺があり、その分泌液を乾燥させてエチルアルコールで抽出したものが「ジャコウ」になる。英語ではムスクと呼ばれ、この呼び名のほうが馴染み深いかもしれない。

ビーバーの肛門付近からも同様に香料を採ることができる。黄褐色の分泌物を乾燥させたものが香水になるのだが、もともとはかなり「くさい」ものだとか。

最後は、ジャコウネコという動物のアソコ近くにある「会陰腺」から採れる香料「シベット」だ。こちらもそのままでは強烈な臭気を持つが、花の香りに輝きと温かさを付加する効能があり、「シャネルの5番」にも使われている。

近年は動物愛護の観点から化学合成のものが使われているが、ネコのアソコのにおいと知ったら、いらない想像が頭をよぎるかも。(嶋)

『週刊現代』2017年9月16日号