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規制緩和・政策 学校・教育

教育分野への経産省の「領空侵犯」は歓迎すべきだ

この閉塞感は日本だけだから

教育現場に生産性は必要ない?

経済産業省は、'18年から教育現場で新たな事業支援を始めることを発表した。

具体的には、教育現場の生産性を高める目的で、授業や部活の外部委託の援助をする。たとえば、外部講師がインターネットで、生徒一人ひとりのレベルに合わせた授業を行う場合や、「休日出勤」を強いられる部活動の顧問の代わりに、外部の人物に部活動の指導を依頼する際には資金援助を行う。教育現場の改善にむけ、ベンチャー企業を学校に紹介するともいう。

この事業支援は'18年度予算の概算要求に盛り込まれる予定だが、そもそも教育現場は文部科学省の管轄。経産省はうまく折り合いをつけてやっていけるのだろうか。

霞が関の各省庁は縦割りでしっかり区切られているが、実は経産省は伝統的に各省庁の事業に首を突っ込むことで有名だ。

 

たとえば外務省の管轄である外交の場では、かつては「通商交渉」として外務省と競いながら、ある意味「二元外交」をしてきた。また、電気通信の分野では、かつての郵政省の電波行政に対して、通信産業の振興を目的に主導権争いをしてきた。

今回も教育という文科省の分野に、経産省が口を挟んできたわけだが、こうした省庁間での政策の競争をよく思わない人間も霞が関の中にはいて、今回の経産省の政策にも否定的だろう。

そうした人からは「教育はビジネスではない」という批判が出てくる。「聖職者」である教師の仕事を外部に委託させるとか、ベンチャー企業に学校教育の一部を託すとか、結局企業を儲けさせたいだけなのでしょう、と言いたいのかもしれない。

あたかも教育現場に生産性は必要ないという理想主義を持っているかのようだ。