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医療・健康・食 週刊現代

「手術大失敗」そのとき医師が患者と家族についてしまう「ウソ」

体質のせい、生活習慣のせい…

患者の体質のせいにする

手術により患者が死亡した場合、医者が患者に言う決まり文句がある。

「手術は成功したが合併症を起こした。合併症だから仕方ない。防ぎようがなかった」――。

これは真実なのか。

 

「実際は手術ミスが原因なのに、それを隠して、『手術後に細菌による感染症によって亡くなった。細菌は患者の体内にいる場合があるので、防ぎようがなかった』などと誤魔化すのは、医者の常套手段です。

手術は外科医の腕によって成功率が大きく変わるもの。不器用な医者が手術すると当然失敗する可能性は高まります。しかし、特に外科医はプライドが高いから、決して自分の手術の腕が未熟だと認めたくないのです」(医者・医療ジャーナリストの富家孝氏)

明確な医療事故でもない限り、医者がそのまま患者にミスを伝えることはまずない。

「病気そのもののせいにすることも多いですね。『思っていた以上に進行していた。どこの病院に行っても無理だったと思います』と。だったら手術前にもっと検査をすればよかったのではないかと、患者さんとしては言いたいでしょう」(医療ジャーナリストの田辺功氏)

自分の腕の未熟さを省みることなく、患者自身に責任を押し付ける。こんなケースは多々ある。

大学病院に勤務する看護師が明かす。

「食道がんや胃がんは、腫瘍を切除した後、臓器を結合する必要があります。その縫合が上手くいっておらず、術後、感染症を起こし亡くなった患者さんがいました。

すると先生はこう言ったのです。『これは患者さんの体質のせいですね。元々そういう体質だったのでしょう』と。自分は悪くない。あくまで患者さんの体質の問題だと。自分のミスには触れず、原因をすり替えたんです」

さらに患者の死因に関して、心不全と多臓器不全が多い医者は、明らかに要注意だという。

「本当は手術の際に他の臓器を傷つけたり、間違って血管を切ってしまったことが原因なのに、『死因は多臓器不全。そう家族に伝えるように』と、看護師に指示する先生が実際います」(総合病院の看護師)

高齢の患者の場合は、手術に耐える体力がなかったと弁明することもある。

「『生活習慣が悪かったから』などと露骨に患者さんのせいにするとトラブルに発展することもあるので、そうは言いません。年齢のせいにするとか『もっと早く病院に来てくれれば』などと手術のタイミングのせいにします」(開業医)