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行政・自治体 週刊現代 日本

霞が関「7人の天才」はこんな人たち~頭がキレて、モノが違う

ただし、出世できるかは別問題

「ただの受験エリートの集まりだろう」と思いきや、そうではない。国会で「記憶にない」を連発していたのが秀才官僚だとすれば、霞が関にはそれとは次元が違う「天才官僚」もたしかに存在する。

TPP交渉の切り札

外務省に「梅ちゃん先生」と呼ばれて慕われるスーパー官僚がいる。

梅本和義・TPP首席交渉官('77年入省)がその人だ。66歳である。同期入省の杉山晋輔氏(64歳)が外務省トップの事務次官を務めているのだから、霞が関の常識では、本省から勇退して当たり前。

実際、梅本氏は'14年に「上がりポスト」であるイタリア大使に転出していた。

「ところが、この夏の人事でTPP首席交渉官に抜擢され、本省に返り咲いたんです。周知のとおり、トランプ米大統領がTPPからの離脱を表明し、先行きが不透明になりました。

日本政府は米国抜きの11ヵ国で『TPP11』として仕切り直す方針に切り替えましたが、調整は困難を極める。そこで、首席交渉官に白羽の矢が立ったのが、梅本氏だったのです。

彼を口説き落としたのは、同期の杉山次官本人です。『お前にしかできない』が殺し文句でした。出っ歯の親しみやすい風貌で、人当たりもよく、それでいて優秀。省内で悪くいう人は見当たりません」(外務省関係者)

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梅本氏は入省後、日米同盟を所管する日米安保条約課長や日朝交渉を担う北東アジア課長という外務省の金看板を歴任してきた。

「北東アジア課長の後、英国公使としてロンドンに赴任していましたが、'02年に小泉純一郎総理(当時)が電撃訪朝を決めるや、余人をもって代えがたい人材として梅本氏が事務方の責任者に指名されました。

ロンドンから飛行機で戻ったその足で空港の滑走路を横切り、政府専用機に乗って平壌入りしたことは、今も語り草になっています」(前出・関係者)

 

梅本氏は東京大学理学部数学科出身で、元々、数学者の道を目指していたという。大学院の修士課程まで進んだが、途中で外交への関心が高まり、外交官試験を突破して外務省に入った変わり種だ。

梅本氏の知人が話す。

「イタリア大使を務めていた際には、ローマ市内の名所旧跡にあったラテン語の碑をあっという間に解読し、内容を英訳して欧米人の同行者を驚かせました。

イタリアに赴任するにあたって、イタリア語のルーツにあたるラテン語を学習したのでしょうか。それを見ていた私たちも、いくら語学に堪能だからといって、ラテン語まで読めるのかと度肝を抜かれました」