Photo by iStock
野球 スポーツプレミア

甲子園でも参考にすべき新時代の投球基準「ピッチスマート」とは

メジャーリーグでは当たり前

第99回全国高等学校野球選手権は17日間の激闘を終え、埼玉県代表花咲徳栄高校が初優勝。3839校の頂点に立ちました。

「投手の分業制、マネージャーの活躍など来年の100回大会に向けてポジティブな要素が多かった」と、元メジャーリーガーの長谷川滋利さんが大会総括をしてくれました。

「大型捕手」誕生と、「大型遊撃手」への期待

まずは優勝した花咲徳栄(埼玉)のみなさんにおめでとうを言いたいです。関係者の中では前評判が高かったのですが、頂点まで駆け上がると予想していた方はそこまで多くなかったと思います。嬉しいサプライズで大会を彩ってくれました。まとまりのいい好チームだったと思います。

個人で言うと注目すべきはやはり、決勝で敗れながらも、大会6本のホームランで32年ぶりに記録を更新した広陵(広島)の中村奨成選手でしょう。身体や体重移動のバランスが良く、アメリカでも最も求められているタレントである「打てる捕手」への予感を抱かせてくれます。

この中村選手や、安田尚憲(履正社/大阪)をはじめ、大会を通して振れている選手、チームが多かった印象を受けました。バントの場面も減った気がします。ビッグイニングや大逆転勝利もあり「1点を守り勝つ」という時代は終わりつつあるのかもしれません。

そうなると中村選手の「打てる捕手」と同様、来年以降は「打てる遊撃手」の出現に期待します。プロの世界でも、世界的にも打てる選手というのはファースト、サードあたりに固定されがちです。

でも、それはこの年代ではもったいない側面もあるんです。

本来、ショートはチームでも特に身体能力が優れている選手が入るポジションです。少し乱暴な言い方になりますが、ファーストはプロに行って、あるいはプロでキャリアを重ねてからコンバートされても十分、守れると思います。

ましてやもともと、ショート守っていた選手だったら尚更、容易にアジャストできる。その逆は難しいので、行けるところまでショートで育っていって指導者も選手本人も「大型遊撃手」の夢を追って欲しいですね。

 

現在の球界を見渡しても、ショートを守る選手で2桁本塁打を打っている選手は茂木栄五郎選手(楽天)と坂本勇人選手(巨人)の2選手だけ。需要は高いと思います。

あとは大会を通してネガティブな話題として、サイン盗みを疑われた場面が今年もありました。

真偽のほどは定かではないですし、あるともないとも明言できない部分もあります。それでもハッキリと言えるのは「してはいけないことだし、間違いなく悪いことなので即刻やめよう」という結論です。

あの学校がしている。あの選手の動きはおかしい。などといった特定など不要ですし、特に意味はないです。それよりも高野連と審判団、指導者も含め、とにかく疑わしい行為もその場で厳重注意し、厳しく罰するべきだと僕は思います。

それはルール遵守とか試合運営の面からもそうですし、何よりも選手の成長を妨げます。

サイン盗みをして最低限キャッチャーの構える位置だけでもバッターに伝えると、確かにランナーや点差、カウントなどの状況から、例えば「アウトコースに直球が来る」といった予測ができてしまうんです。

それはチームにとってその瞬間は有益な情報ではありますが、将来的に選手のためにはなりません。

配球を読む駆け引きや、来た球に反応する対応力の成長を放棄する行為ですから、極端にいうと「サインがないと打てない選手」ができてしまいます。

このあたりの目先の勝利を求める根強い悪習も改めるべき問題なのではないでしょうか。