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バリウム飲むのは日本だけ?アメリカでは絶対やらない手術・薬・検査

すぐに切りたがったりとか

いまやバリウム検査をしているのは、世界で日本だけ? 日本は本当に「医療先進国」なのか。あなたやあなたの家族の治療は、ひょっとしたら間違っているかもしれない。

日本は外科至上主義

「日本のがん治療は外科至上主義が強く、すぐに『切りたがる』外科医が非常に多い。

トップレベルの外科医は高い技術を持っていますが、一方で放射線治療や抗がん剤といった選択肢を患者に示すことが少なく、結果として術後の負担を大きくすることもあります」(都内大学病院教授)

日本の医師が「やりすぎ」だといわれる術式のひとつに、リンパ節郭清がある。がんの転移を防ぐために、腫瘍の周辺部にあるリンパ節を切除する方法だ。

医療ガバナンス研究所理事長の上昌広氏が語る。

「切除によってリンパ節浮腫を引きおこすケースがあり、患者への負担が大きい。米国ではまずリンパ節生検で転移がないか様子を見て、転移の危険性が非常に高ければ切除します。

一方、日本の外科医は一種の『腕試し』だと思って、リンパ節を必要以上に切ってしまうきらいがあります」

 

前立腺がんも、日本の外科医が手術したがるがんのひとつだ。国立がん研究センターの統計予測によると、'16年の前立腺がんのがん罹患予測数は9万2600人におよび、男性がかかるがんとしては最も多い。

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「前立腺は骨盤の奥にあり、膀胱や直腸に接しているため手術が非常に難しい。日本では腹腔鏡による全摘出を勧める医者も多いですが、アメリカでは切らずに様子を見るか、放射線治療を行うケースが多いです」(前出・上氏)

前立腺は排尿や男性機能を司る重要な器官だ。摘出してしまった場合、尿漏れや射精障害を招くこともあり、術後の精神的負担が非常に大きい。

そのぶん手術には慎重になり、放射線治療などで前立腺を残したいところなのだが、そうもいかない事情が日本にはある。

「日本は欧米と比べて放射線科の医師があまりにも少ないことが問題です。これだけの医療施設がありながら、放射線治療専門医はわずか1000人程度しかいません。

海外のように若手を育てる環境もないし、そのことが治療の選択肢を狭めているといえます」(医療コンサルタントの吉川佳秀氏)

放射線治療専門医が少ないことは、治療方法だけでなく検査方法にも不都合が生じる。

バリウム検査は胃がん検診で一般的に行われる方法だが、実はもはや日本でしか行われていない。ほとんど知られていないが、そもそもバリウム検査は日本で開発されたものなのだ。

「バリウム検査で食道がんや胃がんの位置を正確に特定するのはほぼ不可能ですし、むしろX線撮影による被曝のほうが心配です。米国ではほとんどCT検査で胃がんの診断をしていますが、CTのほうが身体への負担は明らかに少ない」(前出・吉川氏)