Photo by iStock
社会保障・雇用・労働 格差・貧困 ライフ 週刊現代

生活保護は、こんな資産があると「受けられなく」なる

高齢者の最後の命綱なのに 

持ち家はどうする?

「無年金などで親に所得がない場合は、子供は無理をせずに生活保護を申請したほうがいい。そうすれば、医療費も介護費も大幅に軽減されます。

生活保護の申請には、罪悪感を持つ人も多いですが、自分がサラリーマンで定収があったとしても、親と世帯が別ならば、申請するのは恥ずかしいことではありません」

こう語るのは、介護・くらしのジャーナリストの太田差惠子氏。

'14年に生活保護を受給した人は約216万人。そのうち65歳以上の高齢者は約92万人だ。

無年金であったり、年金支給額が十分でないが、それを補うために働くこともできない高齢者の数は年々増え続けている。生活保護は事実上、生活に行き詰まった高齢者の「命綱」なのだ。

 

では実際、どのような条件がそろえば、受給資格が生じるのか。

基本的には年金や給与などの収入から経費を引いた額が最低生活費(東京23区在住の高齢者単身世帯で月額約8万円)を下回ると、生活保護費を受給できる。

支給額も約8万円である。少しでも年金や給与などがある場合は、最低生活費に比して足りない分の差額が支払われることになる。

ただし、申請時に資産があると、受給できないので要注意だ。

「最低生活費の0.5ヵ月分の預貯金があると生活困窮状態にあるとはみなされません。

また一般的には持ち家があると保護を受けるハードルは上がります。持ち家の売却価格が、その世帯の生活保護費の10年分以上に相当する場合は、売却を検討するかどうかの検討会を開かなければなりません」(元ケースワーカーの碇井伸吾氏)

3人世帯の場合、全国平均で2300万円以上の資産価値があれば、売却の必要が出てくると言われている。現実的には、売却価格の高い都市部の持ち家に住んでいる人は、そのまま住み続けることは難しいだろう。

また、ローンの残っている持ち家は処分しなければ保護は受けられない決まりになっている。これは生活保護費がローン返済に充てられて、結局個人の資産の形成につながることを避けるためだ(ただし、ローン残額が300万円以下で、5年以内に完済予定であれば、例外的に保有を認められる)。

不動産ほど大きな資産でなくても保有しているだけで受給資格を得られないものがある。

「現金化できる高額商品、贅沢品と見なされるものを所有していると、処分するように指導されます」(前出の碇井氏)

Photo by iStock

ではどのような商品が贅沢品と見なされるのか。

まずは自動車。これには各種税金や自動車保険、ガソリン代、駐車場代など経費もかかるので、仕事に支障が出る、通院にどうしても必要などの理由がない限り、処分しなければならない。

他には現金化がしやすい宝飾品、ハイビジョン薄型テレビ、パソコンなども所有を認められない。大まかに言って、その商品の保有率が7割に満たないようなものは生活必需品とはみなされない。

なかには手放したくない思い入れのある品もあるだろうが、国庫の恩恵を受けるには意を決して手放すしかないのだ。

「週刊現代」2017年9月2日号より