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医療・健康・食 ライフ 週刊現代

介護費用は「親の財布」から出さないと、自分の老後が地獄になる

どこまで出すか、の線引きが重要です

親の介護は親の財布でやる

90歳になる母親を都内の有料老人ホームに入居させた青木誠司さん(65歳・仮名)が言う。

「母がどうしても住み慣れた土地(東京都杉並区)を離れたくないと言うので決めたのですが、入居金に1200万円もかかりました。

そのおカネは母親が用意しましたが、月額の費用40万円は払えないというので、私と兄で毎月15万円ずつ負担しています。妻からも不満を言われているし、このままでは自分たちの老後が危うくなるのでは、と心配で……」

 

親の介護を間違ったために自分の老後が地獄になる。そんなケースが増えている。

「親の介護費用は、親の財布から出すことが大切」と語るのは介護・暮らしのジャーナリストの太田差惠子氏だ。

「介護は親が受ける側で、子供がする側という構図です。だから『おカネも子供がもつもの』と考えている人が非常に多い。

ところが介護は、1~2年で終わるとは限りません。10年、20年と介護状態にある人はザラです。

実際『あと2~3年だろう』と思って、親を有料老人ホームに入れたところ、予想以上に長生きして、子供たちが『おカネが続かないのですがどうしたらいいのでしょうか』と相談してくるケースが結構あります。

自分もすぐそこに老後が迫っているわけですから、親の介護に自分の預貯金をつぎ込むことは、絶対にしてはいけません。

自分の介護資金が足りなくなって、子供世代にも負担をかけることになる。親を高額な老人ホームに入れたばかりに、一族が路頭に迷うようなことになれば、不幸としか言いようがない」

どの施設を利用するかは、本人の年金支給額を基本としたほうがいい。

「その上で、親御さんの資産を月々いくら使えるかを割り出す。親の介護は、それプラス年金の範囲内で行うことが基本です」(太田氏)

国民年金だけで月々5万~6万円しか収入がない人でも入れるのが、特別養護老人ホームだ。「特養は空きがなくて、なかなか入れない」と言われているが、地域によっては空きがある。

ただ有料老人ホームの場合、「値段が安いから」という理由だけで、慌てて決めてはいけない。