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社会保障・雇用・労働 人口・少子高齢化 週刊現代

年金「繰り上げ受給」は1800万円損をする

慌てる者はもらいが少ない

むしろ繰り下げるべし

「口を酸っぱくしてお伝えしたいのですが、年金の『繰り上げ受給』は、よほどのことがない限り、やってはいけない。日本人の寿命は延び続け、誰しもが長生きをする可能性が高い。そのことを前提に、老後資金のプランを考えるべきです」(ファイナンシャル・プランナーの鈴木暁子氏)

100歳以上の日本人の人口は、昨年9月の段階で6万人超。もはやこの年齢まで生きることは珍しくなくなった。

これまでのように人生は70代、80代までという前提に立っていては、100歳までの「最後の10年」を悲惨な状態で過ごすことになるかもしれない。

そうならないために、「やってはいけない」ことはたくさんある。その筆頭が、年金の繰り上げ受給だ。

'15年の厚生労働省の発表によれば、繰り上げ受給をしている人は年金受給者全体の35.6%もいる。目先の必要に迫られてやってしまいがちだが、実は大きな落とし穴がある。

「年金の受給開始年齢は、基本的には65歳ですが、申請をすれば60歳から受け取ることもできます。

しかしその場合、1ヵ月受給を繰り上げるごとに、受け取れる年金の月額が0.5%減っていく。60歳から受給すると、65歳から受給した場合よりも、受給月額は30%(0.5%×60ヵ月)も減ってしまいます。

それが一生続くので、長生きをすればするほど、損をすることになるのです」(前出の鈴木氏)

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厚労省が今年1月に発表した、標準的な夫婦(夫が40年会社に勤務し、妻はその間専業主婦)の年金受給月額は、22万1277円だった。このモデルの夫婦(同い年とする)が、ともに100歳まで生きるとすると、60歳から繰り上げ受給をした場合に受け取れる年金の合計額は約7435万円。

一方、65歳から受け取った場合は約9294万円で、その差は、実に1859万円にも上る。