Photo by iStock
介護 認知症

司法書士にあり得ない暴力を振るわれた、被後見人の悲劇

信じていいのか「後見人制度」

認知症の父母を抱えながら、後見人や保佐人としてうまくやってきた家族。そこに突然、裁判所から「監督人をつける」と理不尽な決定が下され、見も知らぬ弁護士や司法書士がやってくる……。

知られざる問題点をいくつも抱えた、成年後見人制度。今回は、その専門職後見人の中に混じる”不届き者”たちの闇を追う。

専門職後見人が起こした驚愕の「犯罪」

弁護士や司法書士ら「専門職」の成年後見人が引き起こした事件として、しばしば話題になるのが、認知症高齢者の財産横領事件('15年は過去最悪の37件)だ。

たとえば、'16年10月には、3人の認知症高齢者の口座から1億1200万円を横領した渡部直樹元弁護士に対し、東京地裁が懲役6年の実刑判決を言い渡している。渡部元弁護士は横領した金を事務所費や借金の返済、キャバクラでの豪遊に浪費したという。

 

だが横領事件とは別に、専門職後見人による信じられない事件が起きているのだ。なんと、被後見人に暴力を振るったというのである。

'16年12月8日、成年被後見人(後見される側の認知症の高齢者など)に暴力をふるった東京都の司法書士を、法務省の東京法務局が処分した。

その暴力行為と、処分の内容を記した東京法務局長名の「懲戒処分書」には司法書士の実名が載っているが、ここでは東京都内の「T司法書士」とするに留めておく。

懲戒処分書実際の懲戒処分書(拡大画像で全文が読めます)
拡大画像表示

言うまでもないが、司法書士とは、司法書士法に基づく国家資格であり、裁判所などに提出する書類の作成や財産管理業務、不動産登記などを行う専門家だ。

さて処分書によると、T司法書士は'08年に司法書士になり、2年後の'10年9月、家庭裁判所からある被後見人の成年後見人に選任された。ところがその後、被後見人に対して、2回にわたって暴力を振るったという。