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部活動の全国大会は、もう廃止してしまったほうがいい

「総量規制」から考える部活動の未来

部活動の「未来展望図」

ここ数年、部活動改革の議論がかつてないほどの勢いで高まっている。

今年6月には、学校問題を長らく追い続けてきたライターの島沢優子氏が『部活があぶない』(講談社現代新書)を刊行したばかりである。私もその流れにあやかるべく7月末に『ブラック部活動』(東洋館出版社)を上梓した。

拙著のなかで、私が執筆すべきかどうか最後まで迷った内容がある。それは部活動の「未来展望図」である。

私は、エビデンス(科学的根拠)を軸にして、そこに当事者の声を織り交ぜながら文章を書くことが多い。だが「未来展望図」というのは、これから先のことであるから、当然ながらエビデンスも声もない。

だが他方で、私には焦りがあった。それは、部活動改革の議論が「目先」の課題に振り回されているように思えたからだ。

 

「外部指導者」活用の落とし穴

たとえば外部指導者の活用がいま、部活動改革の目玉として全国の自治体で積極的に進められている。外部指導者の導入には二つの役割が期待されていて、一つが顧問の負担軽減で、もう一つが生徒への専門的指導である。

前者については、教員と外部指導者との人間関係が良好であれば、うまくまわっていくだろう。

だが後者については、外部指導者は教員と比べて、より多くの時間、より多くの日数、練習をしたがるという調査結果がある。この場合、教員の負担軽減は実現できても、生徒はむしろ負担がより増大することになる(詳しくは拙著第7章「過剰な練習、事故、暴力」を参照されたい)。

図:理想的な一日あたりの活動時間数と一週間あたりの活動日数(神奈川県調査)《出典:『ブラック部活動』》

「目先」にある喫緊の課題に目を奪われてしまうと、意外な落とし穴がある。だから「もう少し先」の部活動のあり方を、提示しなければならない。そこで私は、議論のたたき台として「未来展望図」を示す決意をした。