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テレビの「意地汚い報道」と安倍政権の支持率低下「本当の関係」

データを基に考察してみた

高齢になるほど安倍政権の支持率が低い理由

7月24日付け本コラム「稲田問題のリーク源から、安倍内閣「倒閣運動」の深刻度が見えてくる」(http://gendai.ismedia.jp/articles/-/52379)では、過去の政権と安倍政権を比較し、過去の政権では男女で支持率の差は少なかったが、安倍政権は男性の支持率が高いことを示した上で、相次ぐ女性議員・女性閣僚の暴言、失言、スキャンダルが安倍政権の支持率をさらに低下させたことを示唆した。

今回は、年代別でみた安倍政権の支持率分析を試みよう。他の政権では、一般的に高齢世代ほど政権支持率が高い傾向があったが、安倍政権は逆に若い世代ほど支持率が高く、高齢世代では低い。

そもそも、安倍政権に対する若い世代の支持率が高いのは、今の安倍政権が雇用の確保を高い水準で維持しているからだ。

これまで、失業率は3%を切り、有効求人倍率もすべての都道府県で1を上回り、正社員の有効求人倍率も1を上回るなど、雇用環境は過去のどの政権よりも成果を出している。これが、自殺者数や犯罪などの低下に繋がっている。

筆者のような大学関係者にはすぐわかるが、今の若い世代は就職に敏感である。数年前の民主党政権時代には、就職がなかなかできなかった。失業率が高くなると、限界的な大卒者の就職率は悪くなる。ところが、政権交代して、大して学生の学力が変わったわけではないのに、就職で困ることがなくなった。これは「安倍政権のおかげ」と実感しているのだろう。若い世代で安倍政権支持率が高いのは、そういう理由だと思われる。

他方、高齢世代は雇用拡大の恩恵を受けることが少ないので、雇用政策が支持につながらない。さらに、民主党政権時代から「社会保障改革」と称して、社会保障費のカットが継続的に行われきて、それが高齢世代に対してはボディブローのように効いている。これも高齢世代で内閣支持率が芳しくない理由のひとつだ。

 

高齢者層は、選挙での投票率が高いので、選挙結果を左右しやすい。ちなみに、7月の東京都議選では、20歳代、30歳代、40歳代、50歳代、60歳代、70歳以上それぞれの有権者は、住民基本台帳による東京都の世帯と人口(2017年1月 http://www.toukei.metro.tokyo.jp/juukiy/2017/jy17q10601.htm )によれば、105万人、113万人、150万人、193万人、221万人、161万人、154万人、215万人である。

年齢別投票率は、東京都(http://www.senkyo.metro.tokyo.jp/uploads/senkyobetsu_suitei_ichiran.pdf http://www.senkyo.metro.tokyo.jp/election/nendaibetuchousa/)によれば、それぞれ、37.65%、51.93%、59.45%、67.56%、74.49%、66.95%である。このため、投票数でみれば、それぞれ56万、100万、131万、109万、115万、144万となり、高齢世代は若い世代と比べて、2~3倍の選挙の対する影響力をもっていることがわかる。

なお、いまでは18歳、19歳が投票できるようになったが、結局その世代の投票者も10万人程度である。

この高齢世代は、マスメディア、とりわけテレビから受ける影響は大きい。これは、しばしば言われているが、総務省による「平成28年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」(http://www.soumu.go.jp/main_content/000492877.pdf)でも裏付けられるので、それを中心に見ておこう。