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宣伝文句に注意!「受けてはいけない」がん免疫療法がある

財産を根こそぎ奪う悪い医者が山ほど…

「3ヵ月でこんなに、がんが小さくなりました」――写真つきで、治療効果を謳う宣伝を目にしたことがあるだろう。だが、そのほとんどがカネ儲け重視の悪徳クリニック。がんビジネスの闇は深い。

「借金してでも治療を」

「一公務員の自分には、身のほど過ぎた治療を受けたかもしれない。家族には迷惑をかけて本当に申し訳なかった」

涙ながらにそうつぶやいて、井上健司さん(当時55歳、仮名)が息を引き取ったのは2年前のことだった。ステージ4で肝臓がんが見つかり、もはや手術も不可能と診断され、大学病院の医者にはホスピスでの終末期ケアを勧められた。

「おれはまだ現役だ。養うべき家族がある。借金してでもあらゆる治療法を試して、もう一度職場に戻りたい」

そう願った井上さんが、出会ったのが「樹状細胞と腫瘍抗原ペプチドを用いたワクチン療法」という聞きなれない治療だった。クリニックに問い合わせてみると、国の「先進医療」にも指定されているという。

 

「光明が見えた――確かにそのときは、そう思いました。夫の顔色もよくなって、人生に前向きになった」(井上さんの妻)

医学的なことはよくわからないが、医者の説明を聞けば聞くほど、「なぜ、こんな素晴らしい治療法があるのに保険が利かないのか。結局医療もカネ次第なのか」という思いだったという。

1クール250万円以上する治療を3回受けた。自分の血液から取り出した免疫細胞を施設で増殖し、体内に戻すという治療のくり返しだ。同時にビタミンCの点滴、サプリメント、水素水など医者に勧められるままに試した。

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借金も膨らんだが、いつか職場に復帰して、真面目に働けばカネは返せる。そう信じた。

だが、免疫療法を始めて1年2ヵ月――井上さんは亡くなり、1000万円近い借金だけが遺された。