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7割の人が払い過ぎ⁉「過払い相続税」を取り戻す方法

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冒頭の羽田氏もそうだったが、三大都市圏で500平方メートル、地方で1000平方メートル以上の土地を相続する場合に狙うべきなのが、「広大地」の適用だ。

「著しく広い土地に広大地評価が認められれば、評価額が半額近くになります。いくつかの要件がありますが、一般的にマンションの敷地だと認められない。しかし、マンションとしての利用がベストとはいえないと証明できれば、還付が可能です」(佐藤氏)

母親から1600平方メートルの土地を相続した西村浩三氏(仮名)の場合、申告時の相続税は4120万円だった。

土地にはすでにマンションが建っていたものの、セカンドオピニオンの税理士が容積率を調べると100%。敷地のうちマンションが占める部分は狭いうえ、周囲のマンションは容積率300%だ。

マンション建設よりも戸建て建設のほうが儲かる可能性が高く、不動産鑑定士とも協議した。更正申請後、広大地として認められ、1300万円が還付された。

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2億7000万円の還付!

「広大地評価の適用で、結果的に2億7000万円という巨額の還付を受けた方もいました。この方もアパートがすでに建っている敷地では広大地適用ができないと思い込んでいたのですが、不動産鑑定士の見解も含めて精査した結果、認められました」(髙原氏)

決して広くなくても、土地の形が欠けたり台形状だったりする不整形地、道路にきちんと接していない無道路地、がけ地や傾斜地も評価を下げることができ、還付金を増やせる。

高圧線下にある土地も、普通の税理士では過払いに気づかないことが多い。400万円の還付金を手にした田嶋春男氏(60代・仮名)の場合、自宅兼賃貸物件として所有していた土地の相続に際し、セカンドオピニオンに頼った。

担当した税理士は、土地の上に高圧線が通っていることに気づく。土地の3割に建築制限がかかっている。その分評価を下げられる――。

「慣れていれば、住宅地図を見れば鉄塔と鉄塔のあいだに挟まれているとわかるんです。それを現地に行って、空を見て再確認する」(佐藤氏)

 

線路沿いや墓地が近い、あるいは騒音があるというのも、10%程度の評価減が可能になることが多い。佐藤氏が続ける。

「路線価に騒音による評価減が織り込まれていないことが証明できれば減額できます。騒音の程度(音は何デシベルか)、発生頻度(1時間に何本の電車が通過するか)も含めて調査します」

前出の髙原氏が請け負ったケースでは、線路に接した土地で、騒音計を使った現地調査を行った結果、評価額を640万円下げ、260万円の還付に成功した。

また、不動産を相続していない場合でも、相続税の取り戻しは可能だ。狙い所はどこか。

「たとえば投資信託。証券会社が発行した残高証明書に記載されている評価額をそのまま計上している税理士がいますが、実際はそこから信託財産留保額などを控除して評価することができます。

この評価だけで300万円の減額をして、100万円以上の還付に成功した例もある」(佐藤氏)