ライフ 週刊現代 相続税

7割の人が払い過ぎ⁉「過払い相続税」を取り戻す方法

死後5年10ヵ月以内なら間に合う
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医療の世界では、一般的に眼科医ががん手術をすることはないし、皮膚科医がぜんそく治療をすることはない。だが税金の世界では、まったく分野の異なったジャンルを、同じ「税理士」が取り扱っていることが悲劇を招く。

佐藤氏が続ける。

「通常の税理士のメインの仕事は、企業の顧問や確定申告です。相続の依頼はスポット的に年に1件あるかないか。そのため、税理士の多くは相続に慣れていません。

会社の顧問だと簿記や会計の知識がメインになりますが、相続の案件になると、財産をどう評価するか、遺産分割をどう行うかというまったく異なる特別なスキルが必要になります」

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記入ミスする税理士も

税理士法人安心資産税会計の高橋安志氏も言う。

「経験の浅い税理士は、地域にある税務署に相談し、税務署の指示通りに高めの申告をしてしまう。相続はひとりひとりケースが違うので経験がないと難しく、ルーティンでできるようなものではない。これが過大納付につながっているのです」

病気のセカンドオピニオンはもはや定着した。相続に関しても専門家のセカンドオピニオンを利用すれば、冒頭の羽田氏のようにお金を取り戻せる可能性が高い。

相続税専門のフジ相続税理士法人の高原誠氏によれば、同法人が手がけたセカンドオピニオン(更正の請求)の件数は、'15年に328件、'16年に413件と急増する一方だ。今年は6月までで245件に達している。

「申告書を確認すると、7割くらいの人が納め過ぎ。その多くがご自身が納め過ぎていること自体に気づいていませんね」

一般の税理士は、相続で、なぜ間違えるのか。

まず、単純にド素人であるケースや記入ミスだ。これが意外と多い。

「アパートを借り入れで建てていた方の相続がありました。この借入金は相続税法上では債務控除として課税財産から引くことができます。借入金の残高証明書には6400万円とある。

ところが初回の相続税申告書を見ると4600万円。税理士が、数字を反対に記入して申告していたんです。この方の場合、他の財産も複数所有し、相続税率も高かったこともあり、数字の訂正などで約1000万円の還付がありました」(高原氏)

数字を書き間違えるなど信じがたいが、この相続をもともと申告していたのは大手税理士法人だったという。

セカンドオピニオンによる取り戻しの確率がもっとも高いのが、土地の評価のミスである。