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ドルは108円に…?北朝鮮情勢で動く金融市場を読み解く

米株式市場の下落が変動のサインだ

米朝の緊張に多くの投資家が反応

8月に入り、米国と北朝鮮の間での緊張感が高まっている。

これを受けて外国為替市場では、円やスイス・フランが米ドルに対して上昇した。多くの投資家が低金利通貨で資金を調達し、高金利通貨などで運用するキャリートレードのポジションを手じまったとみられる。

アジア通貨の中では、朝鮮半島情勢の先行き懸念から韓国ウォンの下落が顕著だ。今後、北朝鮮問題が燻ぶり続けるようだと、神経質な相場環境が続く可能性がある。

今後の北朝鮮問題の焦点は、米国トランプ大統領の出方だ。同氏がこれまでのような強気一辺倒の対応をしていると、人々の心理状況を一段と悪化させることも懸念される。対話政策を模索してきた韓国が、日米など国際社会との連携を強化する姿勢を明示できるかも重要なポイントだ。

リスクオフの動きを押しとどめた米株のバブル

8月9日のアジア時間早朝、北朝鮮がグアムへの攻撃を示唆したことを受けて、外国為替市場ではリスクオフが顕著に進んだ。ドルが売られ円買いが進む中、質への逃避から金先物や米国債の価格が上昇し、日経平均株価などは下落した。世界の投資家が北朝鮮と米国が一触即発の状況に陥ることを懸念し、状況がどうなるかを見極めようとした。

今後、北朝鮮問題がどのように推移するかには様々な見方がある。朝鮮半島で有事が発生するという最悪のシナリオは避けられるとの見方が多い。確かに、そうした展開が現実のものとなれば、世界は深刻な状況に直面する。中国が国連の対北朝鮮制裁に表向きの理解を示したことも、米中の足並みの乱れが修正されるとの見方につながっているようだ。

 

9日のニューヨーク市場では、徐々にリスクオフの動きは後退した。米国の株式市場でバブルが絶頂期を迎えているとの見方は多い。その中で、先行きを慎重に考える投資家はいるものの、いまだ多くの市場参加者は強気な相場が続くと考えているようだ。それが引けにかけてのニューヨークの株式市場の戻りにつながったのではないか。