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「2045年の終戦記念日」AIが激変させる日本の夏の風景

“21世紀の民俗学”による未来予測

8月15日、終戦記念日とお盆の重なり

太平洋戦争における日本の“敗戦”から72年目を迎えた。

1945年(昭和20)8月15日の正午、ラジオから流れてきた天皇の玉音放送を聴いた日本人のほとんどは、立場の違いを超えて、この国の将来に不安を覚えたに違いない。

都市部の住民はとくに、度重なる空襲で疲弊していた。またこの時点では、広島と長崎に落とされた新型爆弾は被害の実態が明らかでなかったし、満州や沖縄も特有の事情を抱えていた。

〔PHOTO〕gettyimages

私は7月に『21世紀の民俗学』(KADOKAWA)という本を上梓した。この本の主要な部分は、WIRED.jpという WEBメディアに連載したもので、現在進行形の流行や風俗、最新のテクノロジーなどを、民俗学の視点から取り上げている。

終戦記念日に対する民俗学的関心で言えば、8月15日が、先祖供養の伝統行事である「お盆」と重なっていることはよく指摘される。ただし1873年、明治6年1月1日を期した新暦の採用により、1945年頃には、7月に盆行事をおこなう地域がかなりの広範囲に及んでいたとみられている。

しかし、夏季休暇と重なる月遅れのお盆が広まるにつれ、終戦記念日の追悼行事と盆供養を、どこかで重ね合わせる感覚も珍しくなくなっていった。

 

いまから47年前、大阪万博が開催中だった1970年(昭和45)8月15日付の朝日新聞は、8月15日を「終戦」と呼ぶか、「敗戦」と呼ぶかという質問を12名の著名人に投げかけ、回答を得ている。

その結果は「終戦」派が4人、「敗戦」派が5人で、その他の答えが3人だった。3人のうちひとりは、次のように答えている。

「8月15日? お盆やないんですか? ああ、そうか終戦記念日ですか。直接、被害も受けてない……別に……感想と言っても」

終戦から四半世紀後でも、このような答えを返すものは決して珍しくはなかったのである。ちなみにこの回答をしたのは、箕島高校(和歌山県)のエースで4番、当時はアイドル級の人気を誇った島本講平である。